ジャック・フィニィ「マリオンの壁」☆☆☆

マリオンの壁

古いアパートに引越して来たニックとジャンの夫婦は、リフォームのために壁紙をはがしたところ、「マリオン・マーシュここに住めり。1926年6月14日。読んで泣面かくがいい!」という口紅で書かれた落書きを見つけた。

このアパートの部屋には、50年前ニックの父親がマリオン・マーシュという若い大部屋女優と一緒に住んでいたと言う。

マリオンは成功を望んでハリウッドに向かう前夜に交通事故で死んでいた。

その話に心惹かれた二人が、たまたまTVで放映されたマリオンがちょい役で出演する古いサイレント映画を観た事をきっかけに、マリオンの幽霊がジャンの体を借りてニックの前に現れるようになる。


フィニィらしいノスタルジィを感じさせる幽霊話で、尚且つ相当にマニアックな印象を受けるファンタジィです。

同じようにノスタルジックなファンタジィ「ふりだしに戻る」などと比較すると、この作品の方がすんなりと物語の中に入れるような気がします。

ラストシーンなどちょっと切なくて良い感じです。


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