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メフィスト賞を受賞した作品の一覧です。

メフィスト賞受賞作

メフィスト賞は講談社が主催する未発表のエンターテイメント小説を対象とした公募の新人文学賞です。

講談社が発行する雑誌「メフィスト」の編集者が、下読みをせずに直接応募作品を読んだ上で選考して受賞作が決定され、受賞作は賞金がない代わりに必ず講談社から出版されます。

明確な応募期間が設定されていないため、同一年度で複数回受賞作が選定されることがあります。

以下はメフィスト賞の受賞作一覧です。

第65回(2023年)

金子玲介 : 死んだ山田と教室

    夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。二学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきたーー。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまったーー。
    (「内容紹介」より)

    第64回(2022年)

    須藤古都離 : ゴリラ裁判の日

      カメルーンで生まれたニシローランドゴリラ、名前はローズ。メス、というよりも女性といった方がいいだろう。ローズは人間に匹敵する知能を持ち、言葉を理解する。手話を使って人間と「会話」もできる。カメルーンで、オスゴリラと恋もし、破れる。厳しい自然の掟に巻き込まれ、大切な人も失う。運命に導かれ、ローズはアメリカの動物園で暮らすようになった。政治的なかけひきがいろいろあったようだが、ローズは意に介さない。動物園で出会ったゴリラと愛を育み、夫婦の関係にもなる。順風満帆のはずだった――。その夫が、檻に侵入した4歳の人間の子どもを助けるためにという理由で、銃で殺されてしまう。なぜ? どうして麻酔銃を使わなかったの? 人間の命を救うために、ゴリラは殺してもいいの? だめだ、どうしても許せない! ローズは、夫のために、自分のために、正義のために、人間に対して、裁判で闘いを挑む! アメリカで激しい議論をまきおこした「ハランベ事件」をモチーフとして生み出された感動巨編。第64回メフィスト賞満場一致の受賞作。
      (「内容紹介」より)

      第63回(2021年)

      潮谷験 : スイッチ 悪意の実験

      ( 受賞時 / スイッチ )

        夏休み、スイッチをもって1ヵ月暮らすだけの簡単なお仕事。日当は1万円、勤務終了後のボーナスは、なんと100万円!スイッチは押しても押さなくても1ヵ月後には100万円が手に入る。押すメリットはない。「誰も押すわけがない」皆がそう思っていた。しかし……友人たちとアルバイトに参加した大学生の箱川小雪は思い知らされる。想像を超えた純粋な悪の存在を。
        (「内容紹介」より)

        第62回(2020年)

        五十嵐律人 : 法廷遊戯

        ( 受賞時 / 無辜の神様 )

          法律家を目指す学生・久我清義と織本美鈴。ある日を境に、二人の「過去」を知る何者かによる嫌がらせが相次ぐ。これは復讐なのか。秀才の同級生・結城馨の助言で事件は解決すると思いきや、予想外の「死」が訪れる――。
          (「内容紹介」より)

          第61回(2020年)

          真下みこと : #柚莉愛とかくれんぼ

            3人組アイドルグループのメンバー・青山柚莉愛。メジャーデビューを目指すも売り上げ目標を越えられず焦る日々。ある日マネージャーの提案で動画配信ドッキリを実行し、ファンの混乱がSNSで広がっていく。騙されたファンの怒りの矛先はマネージャーや事務所ではなく柚莉愛本人に向かってしまい――。
            (「内容紹介」より)

            第60回(2019年)

            夕木春央 : 絞首商會

            ( 受賞時 / 絞首商会の後継人 )

              大正の東京。秘密結社「絞首商會」との関わりが囁かれる血液学研究の大家・村山博士が刺殺された。不可解な点は3つ。遺体が移動させられていたこと、鞄の内側がべっとり血に濡れていたこと、そして、遺族が解決を依頼したのが以前村山邸に盗みに入った元泥棒だったこと――。頭脳明晰にして見目麗しく、厭世家の元泥棒・蓮野が見つけた四人の容疑者の共通点は、“事件解決に熱心過ぎる”ことだった――。
              (「内容紹介」より)

              第59回(2019年)

              砥上裕將 : 線は、僕を描く

              ( 受賞時 / 黒白の花蕾 )

                両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介は、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。なぜか湖山に気に入られ、その場で内弟子にされてしまう霜介。それに反発した湖山の孫・千瑛は、翌年の「湖山賞」をかけて霜介と勝負すると宣言する。水墨画とは、筆先から生みだされる「線」の芸術。描くのは「命」。はじめての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく霜介は、線を描くことで次第に恢復していく。
                (「内容紹介」より)

                第58回(2018年)

                名倉編 : 異セカイ系

                  第58回メフィスト賞受賞作。小説投稿サイトでトップ10にランクインしたおれは「死にたい」と思うことで、自分の書いた小説世界に入れることに気がついた。小説の通り黒騎士に愛する姫の母が殺され、大冒険の旅に……♪ってボケェ!! 作者(おれ)が姫(きみ)を不幸にし主人公(おれ)が救う自己満足。書き直さな! 現実でも異世界でも全員が幸せになる方法を探すんや! あれ、何これ。「作者への挑戦状」って……?
                  (「内容紹介」より)

                  第57回(2018年)

                  黒澤いづみ : 人間に向いてない

                  ( 受賞時 / 異型性変異症候群 )

                    ある日突然発症し、一夜のうちに人間を異形の姿へと変貌させる病「異形性変異症候群」。政府はこの病に罹患した者を法的に死亡したものとして扱い、人権の一切を適用外とすることを決めた。十代から二十代の若者、なかでも社会的に弱い立場の人たちばかりに発症する病が蔓延する日本で、異形の「虫」に変わり果てた息子を持つ一人の母親がいた。あなたの子どもが虫になったら。それでも子どもを愛せますか? メフィスト賞受賞作!
                    (「内容紹介」より)

                    第56回(2018年)

                    秋保水菓 : コンビニなしでは生きられない

                      大学生活に馴染めず中退した19歳の白秋。彼にとって唯一の居場所はバイト先のコンビニだった。そこに研修でやってきた女子高生の黒葉深咲。強盗、繰り返しレジに並ぶ客、売り場から消えた少女。店で事件が起これば、深咲は目を輝かせ、どんどん首を突っ込んでいく。彼女の暴走に翻弄されながら、謎を解く教育係の白秋。二人の究明は店の誰もが口を閉ざす過去の盗難事件へ。元店員が残した一枚のプリントが導く衝撃の真実とは?
                      (「内容紹介」より)

                      第55回(2018年)

                      木元哉多 : 閻魔堂沙羅の推理奇譚

                        俺を殺した犯人は誰だ? 現世に未練を残した人間の前に現われる閻魔大王の娘――沙羅。赤いマントをまとった美少女は、生き返りたいという人間の願いに応じて、あるゲームを持ちかける。自分の命を奪った殺人犯を推理することができれば蘇り、わからなければ地獄行き。犯人特定の鍵は、死ぬ直前の僅かな記憶と己の頭脳のみ。生と死を賭けた霊界の推理ゲームが幕を開ける――。
                        (「内容紹介」より)

                        第54回(2017年)

                        望月拓海 : 毎年、記憶を失う彼女の救いかた

                        ( 受賞時 / リピート・ラブ )

                          第54回メフィスト賞受賞作! わたしは1年しか生きられない。毎年、わたしの記憶は両親の事故死直後に戻ってしまう。空白の3年を抱えたわたしの前に現われた見知らぬ小説家は、ある賭けを持ちかける。「1ヵ月デートして、ぼくの正体がわかったら君の勝ち。わからなかったらぼくの勝ち」事故以来、他人に心を閉ざしていたけれど、デートを重ねるうち彼の優しさに惹かれていき――。この恋の秘密に、あなたは必ず涙する。
                          (「内容紹介」より)

                          第53回(2017年)

                          柾木政宗 : NO推理、NO探偵?

                            メフィスト賞史上最大の問題作!!私はユウ。女子高生探偵・アイちゃんの助手兼熱烈な応援団だ。けれど、我らがアイドルは推理とかいうしちめんどくさい小話が大好きで飛び道具、掟破り上等の今の本格ミステリ界ではいまいちパッとしない。決めた! 私がアイちゃんをサポートして超メジャーな名探偵に育てる! そのためには……ねえ。「推理ってべつにいらなくない――?」。
                            (「内容紹介」より)

                            第52回(2017年)

                            宮西真冬 : 誰かが見ている

                            ( 受賞時 / 正路泉己 )

                              第52回メフィスト賞受賞! ブログで賞賛されたいがために、虚偽の「幸せな育児生活」を書くことが止められない千夏子。年下の夫とのセックスレスに悩む結子。職場のストレスで過食に走り、恋人との結婚だけに救いを求める保育士の春花。優しい夫と娘に恵まれ円満な家庭を築いているように見える柚季。4人それぞれの視点で展開する心理サスペンス! 夫も恋人もまた裏の顔を持っている。ねじれる感情の果てに待ち受ける衝撃!
                              (「内容紹介」より)

                              第51回(2015年)

                              井上真偽 : 恋と禁忌の述語論理

                                雪山の洋館での殺人。犯人は双子のどちらか。なのにいずれが犯人でも矛盾。この不可解な事件を奇蹟の実在を信じる探偵・上苙丞(うえおろじょう)が見事解決ーーと思いきや、癒やし系天才美人学者の硯(すずり)さんは、その推理を「数理論理学」による検証でひっくり返す!! 他にも個性豊かな名探偵たちが続々登場。名探偵を脅かす推理の検証者、誕生! 大ヒットミステリー『その可能性はすでに考えた』はここから始まった!?
                                (「内容紹介」より)

                                第50回(2014年)

                                早坂吝 : ○○○○○○○○殺人事件

                                  アウトドアが趣味の公務員・沖らは、仮面の男・黒沼が所有する孤島での、夏休み恒例のオフ会へ。赤毛の女子高生が初参加するなか、孤島に着いた翌日、メンバーの二人が失踪、続いて殺人事件が。さらには意図不明の密室が連続し……。果たして犯人は? そしてこの作品のタイトルとは? 「タイトル当て」でミステリランキングを席巻したネタバレ厳禁の第50回メフィスト賞受賞作
                                  (「内容紹介」より)

                                  第49回(2014年)

                                  風森章羽 : 渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト

                                    霊媒師・アーネストのもとに持ち込まれたのは、十六年前、画家・藤村透基の屋敷から消えた少女の捜索依頼。屋敷には渦巻き状の奇妙な回廊があり、最深部には「持ち主の運命を狂わせる」と噂される人形が飾られている。依頼を引き受けた友人のことが気にかかって、若き喫茶店店主の佐貴も藤村邸に同行することに。年に一度開かれる紫陽花観賞会に招かれた二人の前で、新たな殺人事件が発生してしまい――。
                                    (「内容紹介」より)

                                    第48回(2013年)

                                    近本洋一 : 愛の徴 -天国の方角

                                    ( 受賞時 / 黄金の蛇、緑の草原 )

                                      絵画、建築、神学、図像学、そして……ヨーロッパの叡智の結晶たちに新たな解釈と発見とを見出す「知」と「心」の旅。その橋渡しは「最新科学」――17世紀のヨーロッパと近未来の沖縄。それぞれの時代に生きる二人の女性が探し出した驚愕の真実とは――!?
                                      (「内容紹介」より)

                                      第47回(2013年)

                                      周木律 : 眼球堂の殺人 ~The Book~

                                        新たな理系&館ミステリ。シリーズ第一作神の書、"The Book"を探し求める者、放浪の数学者・十和田只人(とわだただひと)がジャーナリスト・陸奥藍子と訪れたのは、狂気の天才建築学者・驫木煬(とどろきよう)の巨大にして奇怪な邸宅"眼球堂"だった。二人と共に招かれた各界の天才たちを次々と事件と謎が見舞う。密室、館、メフィスト賞受賞作にして「堂」シリーズ第一作となった傑作本格ミステリ!
                                        (「内容紹介」より)

                                        第46回(2012年)

                                        北夏輝 : 恋都の狐さん

                                        ( 受賞時 / 如月の頃、狐と出逢うこと )

                                          豆を手にすれば恋愛成就の噂がある、東大寺二月堂での節分の豆まき。奈良の女子大に通う「私」は、“20年間彼氏なし”生活からの脱却を願って、その豆まきに参加した。大混乱のなか、豆や鈴を手にするが、鈴を落としてしまう。拾ったのは、狐のお面を被った着流し姿の奇妙な青年。それが「狐さん」との生涯忘れえない、出逢いだった――。
                                          (「内容紹介」より)

                                          第45回(2010年)

                                          高田大介 : 図書館の魔女

                                            鍛冶の里に生まれ育った少年キリヒトは、王宮の命により、史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女(ソルシエール)」マツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声を持たないうら若き少女だった。超弩級異世界ファンタジー全四巻、ここに始まる!
                                            (「内容紹介」より)

                                            第44回(2010年)

                                            丸山天寿 : 琅邪の鬼

                                              秦の始皇帝に不老不死の仙薬の入手を命じられた伝説の方士・徐福の塾がある、山東半島の港町・琅邪で奇怪な事件が続発。求盗(警察官)の希仁と、易占術、医術、剣術などさまざまな異能を持つ徐服の弟子たちが謎に挑む! 古代中国の市井の人々を生き生きと描いた痛快ミステリー長編。メフィスト賞受賞作。
                                              (「内容紹介」より)

                                              第43回(2010年)

                                              天祢涼 : キョウカンカク

                                                死体を燃やす殺人鬼・フレイムに妹を殺された天弥山紫郎(あまやさんしろう)は、音が見える探偵・音宮美夜(おとみやみや)と捜査に乗り出す。美夜は殺意の声を見てフレイムを特定するも、動機がわからない。一方、山紫郎は別の人物を疑い……。ホワイダニット(動機のミステリ)の新たな金字塔が登場! 第43回メフィスト賞受賞作を全面改稿。
                                                (「内容紹介」より)

                                                第42回(2009年)

                                                白河三兎 : プールの底に眠る

                                                  夏の終わり、僕は裏山で「セミ」に出逢った。木の上で首にロープを巻き、自殺しようとしていた少女。彼女は、それでもとても美しかった。陽炎のように儚い1週間の中で、僕は彼女に恋をする。あれから13年……。僕は彼女の思い出をたどっている。「殺人」の罪を背負い、留置場の中で――。誰もが持つ、切なくも愛おしい記憶が鮮やかに蘇る。
                                                  (「内容紹介」より)

                                                  第41回(2009年)

                                                  赤星香一郎 : 虫とりのうた

                                                    小説家を目指す赤井は、ある日河川敷で必死に助けを求める少女と出会う。知らない男に追いかけられていると訴える少女。だが、男は少女の父親だと言いはる。助けようとする赤井だったが、居合わせた大人たちに少女を男に返せと言い含められ、その場をやり過ごしてしまう。そして後日、少女がその男性に殺害されたということを知り、罪の意識に苛まれて、彼女の葬儀に参列。そこで「虫とりのうた」という奇妙な唄に纏わる都市伝説を聞くことになる……。
                                                    (「内容紹介」より)

                                                    第40回(2009年)

                                                    望月守宮 : 無貌伝 双児の子ら

                                                    ( 受賞時 / 無貌伝 双子の子ら )

                                                      名探偵・秋津は、怪盗・無貌によって「顔」を奪われ、絶望の日々を送っていた。そこにサーカスにいた少年・望(のぞみ)があらわれ、探偵助手になることに。そんな二人の前に、無貌から新たな犯行予告が送られてきた! 狙われたのは鉄道王一族の一人娘、榎木芹――。怪異的連続殺人事件に望と秋津が挑む……!
                                                      (「内容紹介」より)

                                                      第39回(2008年)

                                                      二郎遊真 : マネーロード

                                                        第39回メフィスト賞受賞作品! 株式市場の値動きを予見し、富を築き、ネット上で「金の声を聞く男」と呼ばれる男、ヒィ。彼は、仕手戦で、ある投資ファンドに深い痛手を負わせるのだが--。
                                                        (「内容紹介」より)

                                                        第38回(2008年)

                                                        輪渡颯介 : 掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南

                                                        ( 受賞時 / 落ちる弦月の鎌 )

                                                          酔いどれ左門は腕が立つ。酒より好きなものは怪談ばなし。甚十郎も腕こそ負けぬが、こちらは怖い話は大の苦手。10年前、家老が闇討ちされた霧深い城下で「女の幽霊を見た者は死ぬ」という噂が。ふたたび家老闇討ちに巻き込まれた甚十郎は、城下の寺で女を見てしまう。メフィスト賞受賞の怪談時代ミステリ!
                                                          (「内容紹介」より)

                                                          第37回(2008年)

                                                          汀こるもの : パラダイス・クローズド THANATOS

                                                            双子の兄弟。一方は“探偵”、もう一方は“死神”。舞台は麗しき絶海の孤島。ある雨の夜、一人の水槽愛好者(アクアリスト)が殺された。周囲の人間に不審な死をもたらす「死神(タナトス)体質」の兄・美樹(よしき)と、発生した事件を解決する「探偵体質」の弟・真樹(まさき)。変わり者のミステリー作家が孤島に建てた館・水鱗館(すいりんかん)に向かった二人は、案の定、不可解な密室殺人事件に遭遇する。双子の少年と新米刑事が活躍する人気シリーズの第一作。第37回メフィスト賞受賞。
                                                            (「内容紹介」より)

                                                            第36回(2007年)

                                                            深水黎一郎 : ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!

                                                            ( 受賞時 / ウルチモ・トルッコ )

                                                              新聞に連載小説を発表している私のもとに1通の手紙が届く。その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた<意外な犯人>モノの小説案を高値で買ってくれと書かれていた。差出人が「命と引き換えにしても惜しくない」と切実に訴える、究極のトリックとは?読後に驚愕必至のメフィスト賞受賞作!
                                                              (「内容紹介」より)

                                                              第35回(2007年)

                                                              古野まほろ : 天帝のはしたなき果実

                                                                勁草館高校の吹奏楽部に所属する古野まほろは、コンテストでの優勝を目指し日夜猛練習に励んでいた。そんな中、学園の謎を追っていた級友が斬首死体となって発見される。犯人は誰か?吹奏楽部のメンバーによる壮絶な推理合戦の幕が上がる!青春×SF×幻想の要素を盛り込んだ、最上かつ型破りな伝説の本格ミステリ小説が完全改稿され文庫化。
                                                                (「内容紹介」より)

                                                                第34回(2006年)

                                                                岡崎隼人 : 少女は踊る暗い腹の中踊る

                                                                  連続乳児誘拐事件に震撼する岡山市内で、コインランドリー管理の仕事をしながら、無為な日々を消化する北原結平・19歳。自らが犯した過去の“罪”に囚われ続け、後悔に塗(まみ)れていた。だが、深夜のコンビニで出会ったセーラー服の少女・蒼以(あおい)によって、孤独な日常が一変する。正体不明のシリアルキラー“ウサガワ”の出現。過去の出来事のフラッシュバック。暴走する感情。溢れ出す抑圧。一連の事件の奥に潜む更なる闇。結平も蒼以もあなたも、もう後戻りはできない!!
                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                  第33回(2005年)

                                                                  森山赳志 : 黙過の代償

                                                                  ( 受賞時 / 虎の尾を踏む者たち )

                                                                    大学生の秋月昌平は墓参りに行った霊園で、瀕死の男に遭遇。その男は片言の日本語で「コレをダイトウリョウに渡してほしい」と言い残して昌平に鍵を託す。日本と韓国の間に渦巻く陰謀に巻き込まれた昌平の身にふりかかる危機!本作で第33回メフィスト賞を受賞、韓国翻訳版も同時刊行した新進気鋭の作家がおくる国際派ハードボイルドサスペンス決定版。
                                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                                    第32回(2005年)

                                                                    真梨幸子 : 孤虫症

                                                                    ( 受賞時 / パーフェクト・サイクル )

                                                                      「週に3度、他の男とセックスすることを習慣にして」いる主婦・麻美。彼女の不倫相手が、次々と身体全体に瘤のようなものを作って原因不明の死を遂げる。彼女自身の肉体にも異変が起こる。女同士の憎悪や嫉妬、母娘で繰り返される愛憎劇。一見幸せな主婦の誰にも言えない秘密とは……。メフィスト賞受賞作。
                                                                      (「内容紹介」より)

                                                                      第31回(2004年)

                                                                      辻村深月 : 冷たい校舎の時は止まる

                                                                      ( 受賞時 / 投身自殺 )

                                                                        雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう――。
                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                        第30回(2004年)

                                                                        矢野龍王 : 極限推理コロシアム

                                                                          二つの館に強制的に集められた七人の「プレイヤー」たちに「主催者」は命じる――「今から起きる殺人事件の犯人を当てよ」――もちろん、被害者もプレイヤーの中から選ばれる。二つの館で起きる事件を、互いにもう一つの館より早く、解決しなければならないのだ。不正解の代償は「死」! 過酷きわまるデス・ゲームの幕が開く! 究極のサバイバル・サスペンス!
                                                                          (「内容紹介」より)

                                                                          第29回(2003年)

                                                                          小路幸也 : 空を見上げる古い歌を口ずさむ

                                                                          ( 受賞時 / GESUMONO )

                                                                            20年前、兄が言ったんだ。「誰かが<のっぺらぼう>を見るようになったら呼んでほしい――」。みんなの顔が<のっぺらぼう>に見える――。息子がそう言ったとき、僕は20年前に姿を消した兄に連絡を取った。家族みんなで暮らした懐かしいパルプ町。桜咲く<サクラバ>や六角交番、タンカス山など、あの町で起こった不思議な事件の真相を兄が語り始める。懐かしさがこみ上げるメフィスト賞受賞作。
                                                                            (「内容紹介」より)

                                                                            第28回(2003年)

                                                                            関田涙 : 蜜の森の凍える女神

                                                                            ( 受賞時 / ハニー・デイズ )

                                                                              大学生らが集い吹雪の山荘で行った”探偵ゲーム”。余興のつもりが、翌朝現実の刺殺死体が発見されて事態は一変した。現場の不可解な錠の開閉は何を意味するのか。50年前に起きた探偵小説家の惨殺事件との暗合は。ヴィッキーという仇名を持つチャーミングな女子高校生が圧倒的活躍を魅せるメフィスト賞受賞作!
                                                                              (「内容紹介」より)

                                                                              第27回(2003年)

                                                                              生垣真太郎 : フレームアウト

                                                                                1979年、NY――。映画編集者デイヴィッドの作業スペースに紛れ込んでいた邪悪で完璧に美しい1本のフィルム。あれは、本物の“スナッフ”!?出演女優アンジェリカと、失踪したもう1人の(アナザー)アンジェリカの行方を追うデイヴィッドが覗いた暗黒の淵とは?メフィスト賞史上最高級(クラス)の大型新人デビュー!!
                                                                                (「内容紹介」より)

                                                                                第26回(2002年)

                                                                                石黒耀 : 死都日本

                                                                                  西暦20XX年、有史以来初めての、しかし地球誕生以降、幾たびも繰り返されてきた“破局噴火”が日本に襲いかかる。噴火は霧島火山帯で始まり、南九州は壊滅、さらに噴煙は国境を越え北半球を覆う。日本は死の都となってしまうのか? 火山学者をも震撼、熱狂させたメフィスト賞、宮沢賢治賞奨励賞受賞作。
                                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                                  第25回(2002年)

                                                                                  日明恩 : それでも、警官は微笑う

                                                                                  ( 受賞時 / 迎日 )

                                                                                    無口で無骨な刑事・武本と、名家出身でおしゃべりな年下の上司・潮崎。密造拳銃の出所を追うふたりが辿り着いたのは、5年前に起きた覚醒剤乱用防止推進員の拳銃自殺だった。背後に潜む巨悪に、内外の敵を向こうに回し、ミスマッチコンビが執念の捜査を繰り広げる! 警察小説に新風を吹きこんだ第25回メフィスト賞受賞作、待望の新装文庫化。
                                                                                    (「内容紹介」より)

                                                                                    第24回(2002年)

                                                                                    北山猛邦 : 『クロック城』殺人事件

                                                                                    ( 受賞時 / 失われたきみ )

                                                                                      終焉をむかえつつある人類の世界。探偵・南深騎(みき)と菜美の下に、黒鴣瑠華(くろうるか)と名乗る美少女が現れた。眠り続ける美女。蠢く人面蒼。3つの時を刻む巨大な時計。謎が漂うクロック城に2人を誘う瑠華。そこに大きな鐘が鳴り響いたとき、首なし遺体が次々と現れた。驚愕のトリックが待つ、本格ミステリ。
                                                                                      (「内容紹介」より)

                                                                                      第23回(2002年)

                                                                                      西尾維新 : クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い

                                                                                      ( 受賞時 / 並んで歩く )

                                                                                        自分ではない他人を愛するというのは一種の才能だ。他のあらゆる才能と同様、なければそれまでの話だし、たとえあっても使わなければ話にならない。嘘や偽り、そういった言葉の示す意味が皆目見当つかないほどの誠実な正直者、つまりこのぼくは、4月、友人玖渚友に付き添う形で、財閥令嬢が住まう絶海の孤島を訪れた。けれど、あろうことかその島に招かれていたのは、ぼくなど足下どころか靴の裏にさえ及ばないほど、それぞれの専門分野に突出した天才ばかりで、ぼくはそして、やがて起きた殺人事件を通じ、才能なる概念の重量を思い知ることになる。まあ、これも言ってみただけの戯言なんだけれど――第23回メフィスト賞受賞作
                                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                                        第22回(2001年)

                                                                                        津村巧 : DOOMSDAY―審判の夜

                                                                                        ( 受賞時 / SURVIVOR ―生存者 )

                                                                                          ……よ、水兵。敵が目の前にいるぞ!さあ、どうする?……殺して、殺して、殺しまくります!監獄から出所したばかりの元SEAL(海軍特殊部隊)隊員コウイチ=ハヤシ。彼が新しく住み着いた北米の田舎町に、突如E.T.が出現。全編殺戮、剥き出しのルサンチマンが躍るメフィスト賞受賞作!新本格SF誕生の狼煙(のろし)!!
                                                                                          (「内容紹介」より)

                                                                                          第21回(2001年)

                                                                                          佐藤友哉 : フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人

                                                                                            妹が首を吊った、とイカレた母親からの電話。愉快そうな侵入者は、妹の陵辱ビデオを見せたうえ、レイプ魔たちの愛娘がどこにいるか教えてくれる。僕はスタンガンを手に捕獲を開始。でも街には77人の少女を餌食にした〈突き刺しジャック〉も徘徊していた――。世界を容赦なく切り裂くメフィスト賞受賞作!
                                                                                            (「内容紹介」より)

                                                                                            第20回(2001年)

                                                                                            秋月涼介 : 月長石の魔犬

                                                                                              満月の蒼白い光が、皓々と地面に降り注いでいる――右眼に藍玉(アクアマリン)のような淡い水色、左眼に紫水晶(アメジスト)のような濃い紫色の瞳をもつ石細工屋店主・風桜青紫(かざくらせいし)と、彼を慕う女子大生・鴇冬静流(ときとうしずる)。先生に殺されたいと願う17歳の霧嶋悠璃。境界線(ボーダー)を彷徨う人々と、頭部を切断された犬の首を縫い付けられた屍体。異常と正常。欲望と退屈。絶望と救い。根源を射つメフィスト賞受賞作!!
                                                                                              (「内容紹介」より)

                                                                                              第19回(2001年)

                                                                                              舞城王太郎 : 煙か土か食い物 Smoke Soil or Sacrifices

                                                                                              ( 受賞時 / 煙か土か食い物か )

                                                                                                腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件の被害者におふくろが? ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー! 故郷に戻った四郎を待つ血と暴力に彩られた凄絶なドラマ。破格の物語世界とスピード感あふれる文体で著者が衝撃デビューを飾った第19回メフィスト賞受賞作。
                                                                                                (「内容紹介」より)

                                                                                                第18回(2000年)

                                                                                                石崎幸二 : 日曜日の沈黙

                                                                                                  「ミステリィの館」へようこそ。もともと当ホテルは密室で死んだ作家・来木来人(らいきらいと)の館。これから行われるイベントでは、彼が遺したという「お金では買えない究極のトリック」を探っていただきます。まずは趣向をこらした連続殺人劇をどうぞ。そして興奮の推理合戦、メフィスト賞ならではの醍醐味をご堪能下さい。
                                                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                                                  第17回(2000年)

                                                                                                  古泉迦十 : 火蛾

                                                                                                    かつて誰も見たことのない本格世界が展開する。12世紀の中東。聖者たちの伝記録編纂を志す作家・ファリードは、取材のため、アリーと名乗る男を訪ねる。男が語ったのは、姿を顕(あら)わさぬ導師と4人の修行者たちだけが住まう山の、閉ざされた穹廬(きゅうろ)の中で起きた殺人だった。未だかつて誰も目にしたことのない鮮麗な本格世界を展開する。
                                                                                                    (「内容紹介」より)

                                                                                                    第16回(2000年)

                                                                                                    黒田研二 : ウェディング・ドレス

                                                                                                      結婚式当日、何者かに襲われた祥子。婚約者のユウ君と手分けをしながら、祥子は真犯人を目指した。鍵となったのは、あるビデオに関わる猟奇殺人と、母が遺したウェディング・ドレス。そしてユウ君と再会したとき、不可解なジグソーパズルは完成する。全編に謎と伏線が鏤(ちりば)められた第16回メフィスト賞受賞作。
                                                                                                      (「内容紹介」より)

                                                                                                      第15回(2000年)

                                                                                                      氷川透 : 真っ暗な夜明け

                                                                                                        推理小説家志望の氷川透は久々にバンド仲間と再会した。が、散会後に外で別れたはずのリーダーが地下鉄の駅構内で撲殺された。現場/人の出入りなしの閉鎖空間。容疑者/メンバー全員。新展開/仲間の自殺!?非情の論理が唸りをあげ華麗な捻り技が立て続けに炸裂する。
                                                                                                        (「内容紹介」より)

                                                                                                        第14回(2000年)

                                                                                                        古処誠二 : UNKNOWN

                                                                                                        ( 受賞時 / アイアンゲート )

                                                                                                          侵入不可能なはずの部屋の中に何故か盗聴器が仕掛けられた。密室の謎に挑むのは防謀のエキスパート・防衛部調査班の朝香二尉。犯人の残した微かな痕跡から、朝香は事件の全容を描き出す。完璧に張り巡らされた伏線!重厚なテーマ性!リアリティ溢れる描写力!!熱く、そして端正な本格ミステリが登場した!!
                                                                                                          (「内容紹介」より)

                                                                                                          第13回(1999年)

                                                                                                          殊能将之 : ハサミ男

                                                                                                            美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作!
                                                                                                            (「内容紹介」より)

                                                                                                            第12回(1999年)

                                                                                                            霧舎巧 : ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ

                                                                                                            ( 受賞時 / 十人そろったら )

                                                                                                              《あかずの扉》の向こう側に――本格推理の宝物がある北澤大学新入生のぼく=二本松飛翔(かける)は、サークル《あかずの扉》研究会に入会した。自称名探偵、特技は解錠などクセ者ぞろいのメンバー6人が、尖塔の屹立(きつりつ)する奇怪な洋館“流氷館”を訪れた時、恐るべき惨劇の幕が開く。閉鎖状況での連続殺人と驚愕の大トリック! 本格推理魂あふれる第12回メフィスト賞受賞作。
                                                                                                              (「内容紹介」より)

                                                                                                              第11回(1999年)

                                                                                                              高里椎奈 : 銀の檻を溶かして 薬屋探偵妖綺談

                                                                                                                見たところ20代後半の爽やかな青年・座木(くらき・通称ザギ)、茶髪のハイティーン超美形少年・秋、元気一杯な赤毛の男の子リベザル。不思議な組み合わせの3人が営む深山木(ふかやまぎ)薬店は探偵稼業が裏の顔。だが、もっと驚くべきことに、彼らの正体は○×△□だった!?謎解きはあくまで本格派をいく第11回メフィスト賞受賞作。
                                                                                                                (「内容紹介」より)

                                                                                                                第10回(1999年)

                                                                                                                中島望 : Kの流儀 フルコンタクト・ゲーム

                                                                                                                ( 受賞時 / フルコンタクト・ゲーム )

                                                                                                                  悪の華が咲き乱れる荒廃しきった高校へ転校した少年、逢川総二(あいかわそうじ)は、あの“極真”の達人だった!VS.中国拳法、ボクシング、少林寺拳法、柔道、空手、剣道。激闘は限界を超えて加速する!第10回メフィスト賞受賞、衝撃の新人デビュー作。血と力の神話のアジテーター、梶原一騎の再来か!?
                                                                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                                                                  第9回(1998年)

                                                                                                                  高田崇史 : QED 百人一首の呪

                                                                                                                  ( 受賞時 / 玉ぞ散りける -百人一首の呪- )

                                                                                                                    百人一首カルタのコレクターとして有名な、会社社長・真榊大陸(まさかきだいろく)が自宅で惨殺された。一枚の札を握りしめて……。関係者は皆アリバイがあり、事件は一見、不可能犯罪かと思われた。だが、博覧強記の薬剤師・桑原崇が百人一首に仕掛けられた謎を解いたとき、戦慄の真相が明らかに!?
                                                                                                                    (「内容紹介」より)

                                                                                                                    第8回(1998年)

                                                                                                                    浅暮三文 : ダブ(エ)ストン街道

                                                                                                                      あの、すみません。ちょっと道をお尋ねしたいんですがダブ(エ)ストンって、どっちですか?実は恋人が迷い込んじゃって……。世界中の図書館で調べても、よく分からないんです。どうも謎の土地らしくて。彼女、ひどい夢遊病だから、早くなんとかしないと。え?この本に書いてある?!あ、申し遅れました、私、ケンといいます。後の詳しい事情は本を読んどいてください。それじゃ、サンキュ、グラッチェ、謝々。「今、行くよ、タニヤ!」
                                                                                                                      (「内容紹介」より)

                                                                                                                      第7回(1998年)

                                                                                                                      新堂冬樹 : 血塗られた神話

                                                                                                                      ( 受賞時 / 神の戯れ )

                                                                                                                        債務者への過酷な徴収から「悪魔」と呼ばれた街金融の経営者・野田秋人の元に、ある日、惨殺された新規客の肉片が届いた。調査を始めた野田に、客を自殺に追い込んだ五年前の記憶が蘇る。そして、事件の影に浮かび上がる、かつて愛した女の名。惨殺は野田に対する復讐の始まりなのか―。金融界に身を置いていた著者のリアリティー溢れる衝撃作。
                                                                                                                        (「BOOK」データベースより)

                                                                                                                        第6回(1998年)

                                                                                                                        積木鏡介 : 歪んだ創世記

                                                                                                                          全ては何の脈絡も無く唐突に始まった。過去の記憶を全て奪われ、見知らぬ部屋で覚醒した私と女。舞台は絶海の狐島。3人の惨殺死体。生存者は私と女、そして彼女を狙う正体不明の殺人鬼だけ……の筈だったのに。この島では私達が想像もつかない「何か」が起こっていたのだ。蘇る死者、嘲笑う生首、闊歩する異形の物ども。あらゆる因果関係から排除された世界──それを冷たく照覧する超越者の眼光。全ては全能の殺人鬼=<創造主>の膿んだ脳細胞から産まれた、歪んだ天地創造の奇跡だった。そして……「ここはどこなの」女が存在しない口唇で尋ねる。「分からない。でもここにはあいつの邪気がない。あいつの手の届かない世界らしい」存在しない口で私は答えた。「あいつはもう2度と現れないの」彼女の不安気な問いに、私が頷く。女は存在しない男の顔を怪訝そうに覗き込んだ。「結局、あなたは誰だったの」「君は一体、誰だったんだい」私は揶揄(からか)うように問い返した。そんな事はもうどうだっていいじゃないか。もう何も彼も終わったのだから。……だが、まだ終わったのではなかった。真犯人はそれを知っている。本当の終焉はこれからなのだ。
                                                                                                                          (「内容紹介」より)

                                                                                                                          第5回(1998年)

                                                                                                                          浦賀和宏 : 記憶の果て

                                                                                                                            親父が死んだ。自殺だった。俺は安藤直樹。親父が残したパソコンのなかにいるのは裕子。いや違う、あれは単なるプログラムにすぎない。でもプログラムに意識が宿ったのならば……。いったい彼女は何者なんだ! 徹底した方法意識に貫かれたテクストが読者を挑発する、第5回メフィスト賞に輝くデビュー作。
                                                                                                                            (「内容紹介」より)

                                                                                                                            第4回(1998年)

                                                                                                                            乾くるみ : Jの神話

                                                                                                                            ( 受賞時 / 失楽園J )

                                                                                                                              名門女子高で生徒会長を務める美少女が「胎児なき流産」で失血死をとげる。次々と起こる怪事件。暗躍する「ジャック」の正体とは?
                                                                                                                              (「内容紹介」より)

                                                                                                                              第3回(1997年)

                                                                                                                              蘇部健一 : 六枚のとんかつ

                                                                                                                              ( 受賞時 / FILE DARK L )

                                                                                                                                空前絶後のアホバカ・トリックで話題の、第3回メフィスト賞受賞作がついに登場! 新作『五枚のとんかつ』も併録。またノベルス版ではあまりに下品だという理由でカットされた『オナニー連盟』もあえて収録した、お得なディレクターズ・カット版。トリックがバレないように、必ず順番にお読みください。
                                                                                                                                (「内容紹介」より)

                                                                                                                                第2回(1996年)

                                                                                                                                清涼院流水 : コズミック 世紀末探偵神話

                                                                                                                                ( 受賞時 / 1200年密室伝説 )

                                                                                                                                  ついに登場!噂の、ミステリ最終兵器だ!!1200の密室で1200人が殺される、密室卿を名のる正体不明の人物からの犯罪予告。誰も解けなかった密室の秘密を知ると豪語する密室卿の真の目的とは何か
                                                                                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                                                                                  第1回(1996年)

                                                                                                                                  森博嗣 : すべてがFになる THE PERFECT INSIDER

                                                                                                                                    孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。
                                                                                                                                    (「内容紹介」より)