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親鸞賞を受賞した作品の一覧です。

親鸞賞受賞作

親鸞賞は浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の遺徳を偲び顕彰するとともに、日本の文化と文学の振興に寄与するために2000年に創設された文学賞で、一般財団法人本願寺文化興隆財団が主催しています。

日本人の精神文化に深く根付いた優秀な文学が対象で、ジャンルの指定はなく、受賞作は偶数年の10月に発表されます。

以下は受賞作の一覧です。

第11回(2020年)

朝井まかて : グッドバイ

    菜種油を扱う長崎の大店・大浦屋を継いだ希以(けい)26歳。幕末の黒船騒ぎで世情騒がしい折、じり貧になる前に新たな商売を考える希以に、古いしきたりを重んじる番頭の弥右衛門はいい顔をしない。やがて店は火事で焼け落ち、父は出奔、迎えた婿も気に入らず、いつしか独りで大浦屋を支えることを誓う。幼い頃に亡くなった祖父から聞いた言葉、「海はこの世界のどこにでもつながっとるばい。昔は自在に交易できたばい。才覚さえあれば、異人とでも好いたように渡りあえた」が幾たびもも胸に甦る。たまたま通詞・品川藤十郎と阿蘭陀人の船乗り・テキストルと知り合い、茶葉が英吉利では不足しているという話を聞き、ここぞと日本の茶葉を売り込む。待ちに待って3年後、英吉利商人のオルトが現れ、遂にお希以は旧弊なしがらみを打破し、世界を相手にするのだ――。
    (「内容紹介」より)

    第10回(2018年)

    諸田玲子 : 今ひとたびの、和泉式部

      平安朝、大江家の娘式部は、宮中で太后に仕え、美貌と歌の才を高く評価される。和泉守と結ばれ幸せな日々に、太后危篤の報が届く。急ぎ京へ戻った式部を親王が待っていた。高貴な腕に抱きすくめられ、運命は式部を翻弄していく。愛する人たちを失いながらも、歌に想いを綴っていくが…。浮かれ女と噂を立てられながらも、生涯の愛を探し続けた式部。冥き道をゆく謎多き女性を大胆に描く親鸞賞受賞作。
      (「内容紹介」より)

      第9回(2016年)

      澤田瞳子 : 若冲

        商売にはまったく身が入らず、絵を描くことに打ち込む源左衛門(若き日の若冲)。 一方、義弟・弁蔵は姉をいびり殺した枡源の人々と、そもそも胸の裡をはっきりさせない若冲に憎しみを隠さない。 しかしそれに構わず、若冲は妹の志乃と弁蔵を縁組させ、家を継がせようと言い出す。 それに怒り狂った弁蔵は、若冲が妻を亡くして以来描き続けた絵を見て驚愕するのだった。 以降、絵の道にますます入りこんでいく若冲と、彼を憎むあまり贋作を生み出すようになった弁蔵。 二人の奇妙な関係は若冲の名声が高まるにつれ、より複雑になっていく。 池大雅、与謝蕪村、円山応挙ら当時の京画壇、王政復古が望まれつつあった政治的状況も織り込みつつ、若冲が生み出していった作品の深層にせまった意欲作。
        (「内容紹介」より)

        第8回(2014年)

        和田竜 : 村上海賊の娘

          和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。毛利は海路からの支援を乞われるが、成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の帰趨にかかっていた。折しも、娘の景は上乗りで難波へむかう。家の存続を占って寝返りも辞さない緊張の続くなか、度肝を抜く戦いの幕が切って落とされる! 第一次木津川合戦の史実に基づく一大巨篇。
          (「内容紹介」より)

          第8回(2014年)

          木内昇 : 櫛挽道守
          • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

          幕末、木曽山中の小さな宿場町。年頃になれば女は嫁すもの、とされていた時代、父の背を追い、櫛挽職人をひたむきに目指す女性を描く。中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞受賞作。
          (「内容紹介」より)

          第7回(2012年)

          稲葉真弓 : 半島へ

            その春、「私」は半島に来た。森と海のそば、美しい「休暇」を過ごすつもりで―。たったひとりで、もう一度、人生を始めるために―。川端賞受賞の名作「海松」を超えた、究極の「半島小説」。
            (「内容紹介」より)

            第6回(2010年)

            宮尾登美子 : 錦

              西陣の呉服商・菱村吉蔵は斬新な織物を開発し高い評価を得る。やがて法隆寺の錦の復元に成功し、織物を芸術へと昇華させていくが……。絢爛たる錦に魅入られた男の生涯を描く宮尾文学の集大成。
              (「内容紹介」より)

              第5回(2008年)

              立松和平 : 道元禅師

                源平戦乱の余燼さめやらぬ鎌倉初期、京都の摂関家・藤原基房の娘伊子を母に、村上源氏の流れを汲む名門家の歌人・久我通具を父に生まれた道元は、瞳が二重の「重瞳の子」のため天下人か大聖人になるとの予言を受ける。幼少のうちに母を失い世の無常を身に染みて感じた道元は、真実の道を求めて出家。建仁寺で栄西の弟子・明全に師事したが、正法を求める思い止み難く宋へと向かった。
                (「内容紹介」より)

                第4回(2006年)

                高村薫 : 新リア王

                  父と子。その間に立ちはだかる壁はかくも高く険しいものなのか――。近代日本の「終わりの始まり」が露見した永田町と、周回遅れで核がらみの地域振興に手を出した青森。政治一家・福澤王国の内部で起こった造反劇は、雪降りしきる最果ての庵で、父から息子へと静かに、しかし決然と語り出される。『晴子情歌』に続く大作長編小説。
                  (「内容紹介」より)

                  第3回(2004年)

                  池澤夏樹 : 静かな大地

                    短い繁栄の後で没落した先祖たちのことを小説にするのは、彼らの物語を聞いて育ったぼくの夢だった--明治初年、淡路島から北海道の静内に入植した宗形三郎と四郎。牧場を開いた宗形兄弟と、アイヌの人々の努力と敗退をえがく壮大な叙事詩。著者自身の先祖の物語であり、同時に日本の近代が捨てた価値観を複眼でみつめる、構想10年の歴史小説。第3回親鸞賞受賞作。
                    (「内容紹介」より)

                    第2回(2002年)

                    水上勉 : 虚竹の笛 尺八私考

                      日本留学僧と中国女性の子として宋にうまれ、尺八を日本に伝えたといわれる虚竹禅師。南朝の御落胤といわれながら破戒の生涯を送った一休和尚。このふたりが、宇治吸江庵で出会い……。遙か古代から近代までの和漢往来を、尺八の海峡を渡る望郷の響きに託した伝来記。日本と中国の交流の深い絆と歴史を壮大な物語に結実させた、著者最後の長編。
                      (「内容紹介」より)

                      第1回(2000年)

                      辻井喬 : 沈める城

                        経営者はなぜ、南の島で女と身を投げたのか?彼と瓜二つの詩人が伝える遠い幻の島の古代文明とは?壮大なる辻井文学の到達点
                        (「内容紹介」より)