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キャサリン・アンダーソン 「晴れた日にあなたと」の感想です。

キャサリン・アンダーソン「晴れた日にあなたと」☆☆☆

晴れた日にあなたと

兄と共同で牧場を経営しているハンク・コールターは、遊び盛りの年代の頃に働きづくめだった反動で、週末の夜には酒場に出かけて騒ぎ、気に入った女性と一夜限りの関係を楽しんでいた。

ある夜いつものように酒場に出かけたハンクは、店に来る他の女性達とは少し違った雰囲気の美女カーリーと知り合い、いつものようにその場限りの関係を結ぶ積りが、思った以上に酩酊して避妊に失敗した上、なんとカーリーが処女だった事に気づいた時には酔いがまわってその場で気を失ってしまう。

酔いが覚めた後で気にかかり、名前すらうろ覚えのカーリーを探しはしたものの、当然ながら見つけることが出来ないでいたハンク。

ある日、そんなハンクのところにカーリーの友人から電話がかかって来て、ハンクはカーリーの妊娠と窮地を知らされる。

先天性の目の障害を持っていたカーリーは、手術によってようやく視力を得て、大学院への進学も決まっていたのに、妊娠が原因でまた視力を失いかけているという。

しかも一度健常者になったカーリーには、障害者向けの補助金が受けられず、経済的にも困窮しているのだという。

ハンクは自責にとらわれ、子供が生まれ視力が戻るまでの間、便宜的な結婚をしようとカーリーに申し込むのだが、カーリーは頑なにそれを拒み・・・。


障害を持って生まれたけど、それを乗り越えようと努力を重ねてきた女性と、心優しいカウボーイとのロマンスを描いた作品です。

カーリーがハンクに対して抱いている「人の心を弄ぶ遊び人だ」という誤解を、ハンクが辛抱強く解いていく過程がメインの話で、なかなか良く出来ていたと思います。

突然目の病気が良くなるというような安易な結末にならないところが値打ちですね。

良かったです。