面白い本を探す

コニー・ウィリス「ブラックアウト」の感想です。

コニー・ウィリス「ブラックアウト」☆☆☆

ブラックアウト

過去への時間旅行が可能になり、歴史研究者が過去に現地調査に出向いてトラブルに遭遇するオックスフォード大学史学部のタイムトラベル・シリーズの3作目。

今回は第二次大戦下のイギリスに赴くホリー、アイリーン、マイクの3人が、訳が分からないまま現代に戻る道を閉ざされて、戦火のイギリスで状況が良く理解出来ずに右往左往する姿を描いています。

各々の学生は自分が現地調査をする時代や場所については念入りに知識を埋め込んでいきますが、この3人は徐々に事前に覚えこんだ場所から移動せざるを得なくなっていきます。

歴史研究の現地調査では、本来は帰るべき時に帰らなかったら、未来から回収チームが現れて引き取ってくれるはずが、それが一向に現れない。

何とか帰り着く方法を見つけようと、ロンドンに集まる3人ですけど。ロンドンは丁度大空襲を受けている時。

学生たちの不安や緊迫感、当時のイギリスの人たちの生活や世相などが活き活きと描かれていて興味深く、ついつい先を読みたくなります。

それにしても、こんなに分厚い本なのに、この作品は前半部なんですね。後半に当たる「オールクリア」は更に2分冊で出版されています。