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デイヴィッド・ハンドラー「ゴールデン・パラシュート」の感想です。

デイヴィッド・ハンドラー「ゴールデン・パラシュート」☆☆☆

ゴールデン・パラシュート

少しメタボっぽいユダヤ系の映画評論家ミッチと才色兼備のアフリカ系美人警察官デズが、大自然に恵まれ古き良きアメリカの面影を色濃く残すコネティカット州のドーセット村で起こる殺人事件を解決するミステリィ・シリーズの5作目の作品です。

情緒ある田舎町ドーセットでの生活描写と、小太りで人の良い映画おたくミッチが魅力的なシリーズで、この作品では精神に障害があるホームレス男性が殺された事から、対立する二つの家族の物語を描きながら謎解きが進みます。

シリーズも5作目になればマンネリ化していくものですけど、相変わらず切れ味の鋭い面白い作品です。

作中でミッチが手渡される、閉塞感に囚われている若い女性が書いた刺激的な小説「誰でもOK」が、最終的には大きな意味を持っていたという点など本当に上手いなぁと思いました。

いつの間にか恋人同士になったミッチとデズが、この作品でついに一緒になりそうな展開になりますが、何やら色々なことを次作に引き継ぎそうな雰囲気で、それも気になります。