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ディーン・R. クーンツ「コールド・ファイア」の感想です。

ディーン・R.クーンツ「コールド・ファイア」☆☆☆

コールド・ファイア

地方新聞の記者ホリーは、単調な日々と地元の些細なイベント記事を書く生活に疑問を抱き、自身の記者としてのキャリアに諦めにも似た気持ちを抱いていた。

そんなある日、取材に訪れた小学校の前で、落ち着きなく周囲を見回す怪しげな男性がホリーにぶつかり、彼女は転倒してしまう。

詫びもせずに坂の上の方向に走りだした男に苦情を言おうと追いかけたホリーは、突然道に飛び出してきたトラックに轢かれそうになった少年を、男が命がけで救う場面に遭遇する。

「英雄だわ!」と彼にインタビューを試みるホリーだったが、ジムと名乗った男は騒がれたくないからと急いでその場を立ち去ってしまう。

社内に戻ったホリーが過去の事件を調べると、ジムと名乗る男性が全米各地で災害を未然に防いでいる事実に行き当たる。

更にジムが宝くじで大金を当てたというニュースを発見したホリーはジムの家を訪問するのだが・・・。


主人公ジムは予知能力らしきモノを持つ男性。この能力がこの世に存在する邪悪に立ち向かうために神に与えられたものだと信じ、邪悪な存在が彼を破滅させようとしている事を信じている。

彼に突然告げられるのは、救われるべき人間の名前だけで、どういう災難が待っているかはそれが起こる直前になるまで分からない。

そんなジムに惹かれてしまったホリーは、ジムが突然乗った旅客機に自分も乗り、飛行機の墜落事故を予知したジムが、一人の女性とその娘だけを救おうとしているところを、全ての乗員・乗客を救うように説得し、とんだおせっかいを焼くホリーに説得されたジムも狂人扱いされるだろうと思いつつ機長に話をして、事故の被害を少なくすることに成功する。

そうしてジムを知り、彼を愛し、彼の過去のトラウマに気がついたホリーは、ジムを狙う恐怖が彼女に襲いかかってきても怯まず、愛する男性を救うために果敢に戦います。

不思議な能力と正義感と強い意志を持っているけど、幼い頃の出来事がトラウマになっている男性と、彼のために危険を物ともせずに立ち向かう強い女性を描いた、愛と癒しの物語で、とても面白いアクション・ホラーでした。