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諸星大二郎「諸怪志異」の感想です。

諸星大二郎「諸怪志異」☆☆☆

諸怪志異

中国は宋の時代を舞台にして描かれた怪談・奇談で、今のところ第4巻まで出ています。


中国の怪異を主題にした連作短編になっていますが、主な登場人物はすごい仙術師の五行先生と、その弟子でこの世のものならぬモノが見えてしまうという「見鬼」の力を持つ燕見鬼(幼名 阿鬼)という少年です。

但しこの両名が登場しない作品も沢山ありますし、視点はあくまで中国を舞台にした怪異現象の方に重きが置かれているようです。

連作短編集で、怖い話、滑稽な話、少し感動的な話、寓話のような話、活劇など収録されている作品の内容は多岐にわたりますけど、宋の時代の中国の怪異を描いたこのマンガには、独特の趣きがあると思います。

こういう味を出せる漫画家は、諸星大二郎大先生唯一人ではないかと思いますが、その彼の作品にしたって、4巻を描き上げてから続編が出る気配もなく、管理人的には非常に残念な状況です。

管理人は若い頃から、水墨画の中の山奥でひっそりと静かに暮らす仙人のような生活に憧れていますので、そういうゆったりとした時間を感じられるような不思議な雰囲気がある作品が好きです。(仙人になりたいわけでは有りませんので、念のため。)

続編が出ませんかね・・・無理かな。