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諸星大二郎「グリムのような物語 トゥルーデおばさん」の感想です。

諸星大二郎「グリムのような物語 トゥルーデおばさん」☆☆☆

グリムのような物語 トゥルーデおばさん

グリム童話を元にした8編のファンタジィ・コミックです。やっぱり諸星大二郎の発想と表現力はスゴイなぁ。

「Gの日記」は「ヘンゼルとグレーテル」ですね。夢見るようなモワモワっとした雰囲気が何か象徴的な印象です。

「夏の庭と冬の庭」は少し笑えます。こういう突然の場面転換が前衛映画みたいで諸星作品の面白いところ。

「ブレーメンの楽隊」が実にブラックな物語で印象深い。ほんわかしたメルヘン「ブレーメンの音楽隊」をこんなソルジャーブルーみたいに変えてしまえるのがスゴイ。

他に「トゥルーデおばさん」「鉄のハインリヒ または蛙の王様」「いばら姫」「ラプンツェル」を収録しています。

読んで考えこんだり、ニヤッとしたり、ちょっと不気味だったりする大人のブラック・メルヘンです。

続編の「スノウホワイト」も面白い作品です。