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荒川弘「銀の匙 Silver Spoon」の感想です。

荒川弘「銀の匙 Silver Spoon」☆☆☆

銀の匙

2012年度のマンガ大賞を受賞した作品です。2020年に15巻で完結しました。


北海道の大自然に囲まれた大蝦夷農業高校に、札幌の進学校から一般入試で入学した少年八軒勇吾が、今まで暮らしてきた世界と全く異なる寮生活と農業の実習を重ねるうちに、成長していくさまを描いた青春マンガです。


良い高校・大学から一流企業に務めるように教育されてきた勇吾は、一所懸命に勉強に取り組んできたのに中学時代は思ったように成績が伸びず、挫折感を感じて入学したのが大蝦夷農業高校。

ほとんどの生徒は農家の子供で、卒業したら実家を継ぐか農業関係の仕事につく環境にいる。

そうした中でサラリーマン家庭に育った勇吾が、農業を知らないが故に自分に出来る事を見つけ、つい他人の世話をしてしまう性格から周囲の人間に頼られているうちに、自分の生き方や考え方を見つめなおして成長していく姿を描いています。

また、勇吾の成長を描くだけでなく、日本の農業の現状や農家の後継ぎの厳しさなどもそれとなく描いていて、奥行きのある世界が広がっています。

読んで楽しく勉強になる作品だと思います。

日本の漫画はすごいですね。