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有川浩「ヒア・カムズ・ザ・サン」の感想です。

有川浩「ヒア・カムズ・ザ・サン」☆☆

ヒア・カムズ・ザ・サン

同じような設定に同じ登場人物が主人公となるけど、少しだけシチュエーションを変えて書かれた2つの物語を収録した、謎解きが少しだけある作品です。


最初の物語は、弱いテレパシー能力のようなものを持つ雑誌編集者の真也と、その同僚女性カオルの物語です。

アメリカで脚本家として成功を収めたカオルの父が突然帰国し、カオルに会いたいと言ってくる。

カオルがまだ幼い頃に母親と離婚して単身渡米した父親、そんな父に複雑な気持ちを抱いているカオルは、素直に父を歓迎する気持ちにはなれない。

しかしカオルの父親と話した真也は、彼の心に何かを感じた。


もう一つの話も、同じような設定で渡米していたカオルの父親が帰国するところから物語が始まります。

但しこちらの物語は、カオルの父親は特に有名というわけでもなく、カオルと真也は婚約者になっている設定です。

忙しいカオルの代わりに父親を迎えに行った真也が出会った人物は、饒舌でなかなか癖のある人物だった。

ハリウッドで成功したという割にはパッとしない彼に、真也は漠然とした不安を抱くが・・・。


同じような発端の物語だけど、内容は随分と違った感じに受け取れる人情モノの作品が2編収録されていますが、有川作品にしては心に響くものが少なかったような印象を受けました。