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帚木蓬生「白い夏の墓標」の感想です。

帚木蓬生「白い夏の墓標」☆☆☆

白い夏の墓標

20数年前、新しく発見したウィルスと共にアメリカに留学した親友の黒田は、その留学中に交通事故で亡くなったと聞いた。

その黒田の死因が自殺で、しかもフランスでのものだったと見知らぬ老人から聞かされた大学教授の佐伯は、友人の墓参りのためフランスの田舎の村に向かうが、彼がその地で出会ったのは幾つかの謎と奥深い真実だった。


とても良く出来た良質のミステリィです。

作品で語られる黒田の生い立ちには、昔の日本の因習に囚われた暗くドロドロとしたものを感じますが、全体的には真夏のフランスの田舎の匂いをすぐ近くに感じるような印象の作品でとても良かったです。