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本宮ひろ志「男一匹ガキ大将」の感想です。

本宮ひろ志「男一匹ガキ大将」☆☆☆

男一匹ガキ大将

西海地方の片田舎に住む、男気と度胸はあるけどケンカは今ひとつという不良中学生・戸川万吉が、彼に惚れ込む不良たちを子分にして、日本中の不良たちを束ねる大親分になっていくという、気宇壮大な少年任侠マンガです。


確か管理人が中学生の頃に少年ジャンプに連載されて、当時は絶大な人気を誇った作品です。

ケンカの強い不良少年が活躍する少年マンガはこの作品以前にも沢山ありましたけど、何と言ってもこの作品はスケールが全く違いました。

戦国時代の天下統一を図る武将の物語のように、辺鄙な田舎の村で鼻つまみ者だった少年戸川万吉が、持ち前の男気と度胸で周囲の不良たちを従えていきます。

作品の初めはケンカに弱くて、いじめられっ子のような少年たちだけが子分で、近在の中学を締める番長の松川に歯が立たなかった万吉ですが、転校生の片目の銀次こと久保銀次を子分にしてから、万吉の度胸に惚れ込んだ不良少年たちが子分になっていきます。

更には村に静養に来ていて万吉と親しくなった少女岡野友子の父の会社が乗っ取られたことから、株の世界に殴りこんで大儲けしたり、少年院で大暴れしたり、オイルショックの日本を救おうとしたり、少年マンガとしてはハチャメチャな、それでいて変に説得力のある世界が展開されて、管理人は夢中になって読んだものです。

本宮ひろ志の代表作というと「俺の空」や「サラリーマン金太郎」という事になるのでしょうけど、その全ての作品の原点にある作品だと思います。

少年ジャンプは、今でこそナンバー1の少年漫画誌ですが、管理人が子どもの頃はマガジン・サンデーが週刊少年漫画誌の双璧で、ジャンプはよく知らないマンガ家が連載している二流の漫画雑誌という感じでした。

そのジャンプを人気少年雑誌にしたのは、この本宮ひろ志の「男一匹ガキ大将」と永井豪の「ハレンチ学園」でしょうね。

実にエポックメイキングな作品です。