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ジェイン・オースティン「分別と多感」の感想です。

ジェイン・オースティン「分別と多感」☆☆

分別と多感

オースティンの作品の中では「自負(高慢)と偏見」に次ぐという名作だと言われる恋愛小説の古典です。

18世紀末のイギリスの上流階級、貴族とまではいかないけれども大地主や資産家などの人たちの生活を、若い娘の結婚という出来事を通して描くスタイルは、基本的にオースティン作品に共通しているようです。

この作品の主人公はエリナとマリアンの姉妹になります。

姉のエリナは理性的で感情をうまくコントロールする女性ですが、その妹のマリアンは感情の赴くままに行動する事こそが人間的で正しいと信じています。

現代的な考えから言えばマリアンの方が自然なのでしょうけど、この当時の風潮としてはマリアンは些か軽薄な娘ということになります。

物語はこの二人の恋愛と、結婚するまでを描いています。

オースティンの筆はエリナの行動こそ範とすべきものとして描いていますが、じゃあマリアンは全く駄目な役柄かと言えばけっしてそんな風ではなく、結構愛すべき女性として描かれているように思います。

しかしオースティンの作品って何が面白いのでしょうね。

管理人は翻訳されたオースティンの小説は全て読んだと思いますけど、自分でもよく分かりません。

古臭い風俗小説と言っても不思議ではないのに、時代を超えた人間に対する洞察力が素晴らしいし、当時の世相や田園風景の描写も興味深いです。

アイロニーに満ちていながら、どこか視線が柔らかい感じがするのも好きです。

この作品も価値観は古くて微妙ですが、読んでいてとても楽しめました。