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ジェフリー・ディーヴァー「石の猿」の感想です。

ジェフリー・ディーヴァー「石の猿」☆☆

石の猿

中国の密航組織・蛇頭(スネークヘッド)のボス・ゴーストは、各国で様々な事件を起こし国際指名手配されている謎の人物だった。

彼が密航者とともにアメリカに向かっているという情報を得た入国管理局は、FBIとNY市警、沿岸警備隊などと協力してゴースト捕縛を計画するが、肝心のゴーストの足取りが掴めない。

そこで捜査担当者は元NY市警科学捜査部長のリンカーン・ライムに協力を要請し、ライムの推測通りに密航者を乗せた貨物船を発見した。

しかしその事に気づいたゴーストは、密航者を船倉に閉じ込めて密航船を爆破する。

沈みゆく密航船から何とか脱出した10数人の密航者とゴースト。しかしゴーストは、自分の正体が発覚することを恐れ、密航者たちを殺害しようと企む。


四肢麻痺の元NY市警のスーパー鑑識官リンカーン・ライムを主人公にしたミステリィ・シリーズの第4作目です。

前作「エンプティー・チェア」では慣れない田舎町で捜査協力をしたライムですが、この作品では地元NYでの捜査となります。

但し相手はライムたちとは全く違った文化を持つ中国の蛇頭ゴースト。

お馴染みのメンバーに加えて、今回ライムに協力し、傲岸な彼に一目も二目も置かれるようになるのは中国の警察官ソニー・リーで、このライムと正反対という感じの刑事が実に良い味を出しています。

また中国人の密航者家族の心理描写や中国文化の説明などが描かれて、今までの作品とは少し違った印象を受けます。

ジェフリー・ディーヴァーらしいスピーディーな展開はありますけど、何となく一本調子のように感じました。

この作品も悪くはないのですが、前の3作の方が管理人としては面白かったように思います。