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ジェフリー・ディーヴァー 「ウォッチメイカー」の感想です。

ジェフリー・ディーヴァー「ウォッチメイカー」☆☆☆

ウォッチメイカー

「リンカーン・ライム」シリーズの第7作目の作品で、2007年の日本のミステリィ各賞を総なめにしたミステリィです。

今回の犯人は殺害現場にアンティックなスタイルの時計を残していく「ウォッチメイカー」と名乗る連続殺人犯。

ライムのチームは「ウォッチメイカー」が購入した時計が10個あったことを突き止め、殺人者の犯行がこれからも続く事を予期します。

一方でライムと組んで殺人事件の現場鑑識を行う刑事アメリア・サックスは、会計士が自殺を装って殺害された事件を追っていた。

2つの事件を担当することにより「ウォッチメイカー」の事件の鑑識が出来なくなるサックスとライムの心のすれ違い。

そこに物証だけを重視するライムとは反対に、人間の心理から事件の鍵を解こうとするキネシクスの専門家キャサリン・ダンスがチームに加わって新しい展開が見えてきます。

犯人とライムの知恵比べのような部分は今までのシリーズでもありましたが、今回はそれが顕著な印象です。二転三転する展開も見事です。

個人的には「ボーン・コレクター」と「コフィン・ダンサー」が、このシリーズで一二を争う作品だと思いますが、犯人が先読みしすぎているような違和感も感じます。

その点でこの「ウォッチメイカー」は急展開が自然な感じで、読み応えがありました。