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ジュリー・ガーウッド「夜に招かれた守護天使」の感想です。

ジュリー・ガーウッド「夜に招かれた守護天使」☆☆

夜に招かれた守護天使

海賊ペイガンに異母弟を殺害されたケインウッド侯爵(ケイン)は、弟の復讐を果たすためベイガンに多額の懸賞金をかけて海賊たちからベイガンの居所を聞き出そうとしたが、裕福な人間から金を盗み貧乏人に分け与える義賊ベイガンの評判は高く、海賊の結束も強く、ベイガンの居場所を知ることは出来なかった。

そこでケインは港近くの酒場にペイガンの名を騙って出没し、ベイガンをおびき寄せようと考えたが、ある夜そんなケインの前に現れたのは緑の瞳と赤い髪を持つ天使のように美しい女性だった。

ジェイドと名乗ったその女性は、殺人現場を見たことから命を狙われていると話す。

犯人たちに辱めを受けて殺されるよりも義賊として名高いペイガンに殺して欲しいと銀貨を差し出すジェイドに、彼女の話を信じていないケインがジェイドを自分の屋敷に連れて行こうとすると、何者かが二人を銃撃してきて・・・。


少々バカらしい出だしで始まる物語で、こりゃ大失敗かと思いましたが、徐々にまともな方向に進んでいくので良かったです。

如何にも曰く有りげな天然ボケ風の女性と元イギリスの情報員だった怒れる男が、一緒に行動していくうちに惹かれあっていくという話。

ジェイドの正体とか物語の帰結は読んで直ぐに見当がつきますし、一応はミステリィ仕立てになっているものの、それはケインとジェイドのロマンスの添え物程度です。

「精霊が愛したプリンセス」のスピンオフというのを、読んでいるうちにハタと気がつきましたが、別に前作を読んでから読む必要はない作品です。