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ジェイン・アン・クレンツ「愛だと気づいてから」の感想です。

ジェイン・アン・クレンツ「愛だと気づいてから」☆☆

愛だと気づいてから

義妹ゲイルを騙して無実の罪に陥れたセキュリティ会社の敏腕調査員エイブラハム・チャンスに復讐するため、アナリストとして成功しているキャリア女性レイチェル・ワイルダーはスノーボール・チャンスと呼ばれる19世紀に建てられた古びた屋敷にやってきた。

チャンスはどうした訳かセキュリティ会社を辞め、先祖から受け継いだ人里離れた場所に建つ朽ちかけた屋敷を修繕しようと奮闘していた。

なるべき経費をかけずに修繕しようと一人で作業していたが、屋敷の掃除や食事の支度などの家事全般は家政婦に頼んでいるが、人使いの荒いチャンスに嫌気が差して、家政婦はみんな辞めていく。

そんな中に現れたレイチェルを、チャンスは新しい住み込みの家政婦と勘違いするが、レイチャルはこれはチャンスの弱みを握る絶好の機会だと思い、家政婦になりすましてチャンス宅に住み込むことにする。

ひょんな誤解から始まった生活だが、他人に厳しいが自分にはもっと厳しく、傲慢であっても公平なチャンスの人柄を知るにつけ、レイチェルは自分がしている事に自信をなくし、いつしかチャンスに惹かれていることを自覚してしまう。

一方でチャンスもレイチェルがただの家政婦ではないと気付き、自分の厳しい要求に一歩も引かずに対処するレイチェルに心惹かれていくのだが・・・。


ジェイン・アン・クレンツらしいロマンス小説でした。

当然のことながらレイチェルはチャンスの事を誤解しているわけですが、そのあたりの説明もまずまず出来ているように思います。

ただ設定や登場人物の影が薄いというか、書かれた時期が1987年といささか古いので、まだ小説として熟れていない様な印象を受けました。