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畑健二郎「トニカクカワイイ」の感想です。

畑健二郎「トニカクカワイイ」☆☆☆

トニカクカワイイ

高校受験を間近に控えた中三男子の由崎星空(ユザキナサ)は、志望校を超難関の国立大学付属高校1本に絞っていた。模擬試験では常に一番で合格はまず間違いなし。

今日の模試の結果も一番だったと歩く雪の夜道でナサが見かけた運命の少女は「とにかく可愛い!!」、が彼女に気を取られたナサは走って来たトラックに気づくのが遅れた。

血だらけになって倒れたナサを看病してくれる少女、救急車を待つ重体にもかかわらず少女を追ったナサは、必死の思いで少女に「僕と付き合って・・」と声をかけた。

少し考えた風の少女は「私と結婚してくれるなら、付き合ってあげる。」と答え、ナサは朦朧としながら「ハイ」と言って気を失う。

病院で目覚めた時には既に入試は終り、中学浪人となったナサは、翌年超難関校にトップ合格したが、高校に行く気になれずにアパートで一人暮らしをしながら働いた。

そして18歳になったナサの前に、あの時の美少女・司が婚姻届を持って現れる。


管理人が子どもだった頃とは違って、今では少年誌にラブコメ・マンガがあるのは普通になっていますけど、この作品はそれでも何だかスゴイなぁ。

男子にも何となく結婚に憧れる年代があって、そういう年頃には可愛らしい女性と結婚してラブラブな毎日を過ごすのを夢見ますよね。

この作品は正にそんな夢を叶えるようなラブコメです。

謎だらけだけど「とにかく可愛い」お嫁さんが現れて、手を触れるだけで顔が赤くなるようなピュアな新婚生活が描かれていきます。

司ちゃんがどう考えても普通の少女とは思えないので、実は正体は宇宙人だとか女神様だとか、そんな謎解きがあって、そういうファンタジックな話になっていくのかと思いきや、今のところ気恥ずかしいくらいの、エッチな雰囲気も皆無のラブコメになっています。

またナサくんにしても、ただの純情な18歳ではなく、そんじょそこらにはいないトンデモナイ青年ですし、変なギャグがあるかと思えば、結構常識あるまともな展開もあるし、管理人のようなオジサンが読んでも飽きずに面白い。

しかしこの作品の落とし所はどこなんだろう・・・。当たり前の物語にして欲しくないですね。