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カレン・ローズ「復讐の瞳」の感想です。

カレン・ローズ「復讐の瞳」☆☆☆

復讐の瞳

セキュリティ・コンサルタントをしている元海兵隊員のイーサン・ブキャナンは、アフガニスタンで戦死した親友の弟スタン・ヴァーンから緊急の連絡を受けてスタンの家に出向いた。

スタンの耳の不自由な息子アレックが家庭教師とともに誘拐され、家庭教師のボーイフレンドが惨殺死体となって横たわっていたという。

イーサンは直ぐに警察に連絡するようスタンに勧めるが、アレックの命を心配するスタンはアレックを救い出すようイーサンに頼み込む。

スタンの兄がイーサンを救おうとして戦死したことに負い目を感じているイーサンはその依頼を断りきれず、アレックの跡を追うことを引き受けてしまう。

アレックを誘拐したのはスー・コンウェイという凶悪な女。

麻薬密売の罪で刑務所に送られた彼女は、自分を刑務所送りにした人々や自分に危害を加えた人々に強い恨みを抱いて復讐を誓い、アレックの両親もその標的となっていた。

スーは言葉が話せないアレックを連れて、シカゴでDV被害者の救済活動をする女性ディナ・デュピンスキーのもとに、DV被害者を装って隠れていた。

アレックを追ってシカゴのバス亭に辿り着いたイーサンは、DV被害者を迎えにバス停まで来たデイナと、ふとした事件から知り合う。

偶然に出会った二人は一目見た時からお互いに運命の出会いを感じるのだが、スーの邪な陰謀は続き・・・。


アレックとスーがディナに匿われていることを知らないイーサンと、イーサンがシカゴに来た目的やスーの正体に気がつかないディナ。この二人がいつ事実に気がつくのか、気をもたせる展開が続きます。

犯人のスーは強迫観念にとらわれた異常者で何をしでかすか分からない女。

ディナもディナの協力者たちも、何となくスーは何かがおかしいとは感じているけど、その何かの正体をハッキリ出来ないのは、やはりDVが絡んでいると思っているからで、この辺りの設定が上手いですね。

カレン・ローズ作品らしくサスペンスとロマンスの按分がちょうど良い感じのロマンチック・サスペンスです。