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リンダ・ハワード「夜を忘れたい」の感想です。

リンダ・ハワード「夜を忘れたい」☆☆☆

夜を忘れたい

他人と共感する超能力を持つ女性マーリーは、犯罪者と共感出来ることから警察の捜査に協力していたが、ある日誘拐犯に殺害された少年と共感した事で大きなショックを受け、以来この能力を失った。

それから6年が過ぎた時、マーリーの特殊能力は突然復活し、殺人狂の男が女性を刃物で切り刻む場面を、犯人の目を通して見てしまう。

事件に巻き込まれたくないが、このまま放置しておく事は出来ない。

悩んだ末に警察に出向き事情を説明するマーリーに対して、対応した刑事デーンは彼女に嘲笑するような視線を浴びせながら、状況を知りすぎているマーリーが実は犯人ではないかとの疑いを抱く。

利口な殺人犯は現場に証拠を残していない。

手がかりを求めて捜査を進める警察だったが、そうした中で新たな殺人事件が発生し、またもや犯人と共感したマーリーはデーンに連絡するも意識を失い、マーリーの家に駆けつけたデーンに救われる。

マーリーの能力を信じたデーンは、異常者による連続刺殺事件を解決すべくマーリーに協力を仰ぐ。

捜査を進めるうちに強く惹かれ合って行く二人だったが、しかしマーリーの存在を知った殺人犯が・・・。


サイコホラー風のロマンチック・サスペンスです。

異常な殺人狂の心理描写、彼の目を通して殺害現場を見てしまうマーリーの恐怖、何とかしてマーリーを庇おうとするデーンなど、設定はサスペンス・スリラーですが、共感能力を持つ女性を愛してしまう逞しい刑事と、そんな男性に惹かれるヒロインという設定はベタなロマンス小説で分かりやすい。

リンダ・ハワードはヒストリカルも書いていますけど、こうしたサスペンス物が一番安定していて面白いように思います。