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畠中恵「しゃばけ」の感想です。

畠中恵「しゃばけ」☆☆☆

しゃばけ

普通だったらとっくに死んでいる程病弱な薬種問屋の若旦那一太郎は、妖怪の血を引く祖母おぎんの骨折りで何とか生き長らえている。

物語は一太郎が薬種問屋手代に化けた人ならぬ仁吉(白沢)と佐助(犬神)という強力な妖力を持つもののけたちの力を借りながら、お江戸で発生する怪事件を解決するという時代ミステリィ・ファンタジィです。

病弱だけど妖怪と話せる一太郎は、温和で優しく知恵が働く好青年で、彼の周囲の人間や妖怪たちは一太郎に対してともかく過保護に接しています。

そんな登場人物たちの会話が楽しいユーモラスな時代小説シリーズですが、この第1作目の作品はミステリィ仕立てになっていて、お江戸の町を混沌とさせる邪悪な妖怪が登場して、なかなか良く出来ていて面白い小説です。

日本ファンタジーノベル大賞を受賞した作品には微妙な作品が多いような気がしますが、この作品はオススメできます。

もっとも優秀賞の受賞で、大賞は受賞していませんが・・・。