面白い本を探す

佐藤雅美「夢に見た娑婆 縮尻鏡三郎」の感想です。

佐藤雅美「夢に見た娑婆 縮尻鏡三郎」 ☆☆☆

夢に見た娑婆 縮尻鏡三郎

優秀な勘定方の御家人だったのに運悪く失脚し、江戸の大番屋の元締となった拝郷鏡三郎を主人公にした縮尻鏡三郎シリーズの第7作目です。

川面に揺れる朧月/隠鳥密売密告の理不尽/片輪車の車長持ち/空を舞う鷲/真っ昼間の押し込みと人質の女/降り止まぬ雨/船盗っ人竜蔵の遺言/夕立降って地固まる の8篇の連作短編を収録しています。

今回は寄場から戻ってきた飼鳥屋の新三郎を中心にして、鷹匠に餌となる鳥を収めた事から始まった江戸の鳥肉事情を描いています。

佐藤雅美作品は、こういった江戸時代の意外と知られていないことを、しっかりとした時代考証をした上で分かりやすく描いているので、読んでいて成る程と目からウロコの作品が多い。

理不尽な事も多いけど、そういった理不尽さを調整するような仕組みやら人間関係やらもあって、江戸時代の生活もそんなに捨てたもんじゃないと痛感します。

面白い作品でした。