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スーザン・ブロックマン「ボディガード」の感想です。

スーザン・ブロックマン「ボディガード」☆☆☆

ボディガード

若くして裕福な男性と結婚して以来、夫に言われるがままの人生を生きてきた美貌の女性アレッサンドラ。しかし7年の月日が過ぎ、夫との仲はいつの間にか冷えて離婚が成立する。

離婚した後は今までの主体性のない人生と別れて、障害のある赤ん坊を養女に迎えて新しい人生を生きて行く積りでいたアレッサンドラだったが、慰謝料も出さずに消えた夫が射殺体で発見され、アレッサンドラを呼び出した暗黒街のボス・トロッタは、夫が盗んだ100万ドルを直ぐに返せと命じた。

夫がどんな仕事をしていたか興味もなかったアレッサンドラには夫の資産のありかなど見当もつかないが、どうやら夫はトロッタから大金を盗んだことで殺されたらしい。

何も知らないと話したものの、言い訳など通用しない冷酷非情なトロッタからは短い猶予を与えられただけ。

そんな彼女の前にFBI捜査官のハリーが現れる。

ハリーはFBIの証人保護プログラムでアレッサンドラの身分を変え、マフィアから身を守ると話すが、トロッタの恐ろしさを身に沁みて分かっているアレッサンドラはハリーの言葉に耳を貸さずに、夫の行動を推測して100万ドルを見つけ出し、トロッタに返す事に成功する。

これで全て丸く収まったかと思ったアレッサンドラだったが、何故かトロッタは約束を果たしたアレッサンドラの暗殺命令を下していた。

ハリーの強い勧めもあって、アレッサンドラは正体を変えFBIの護衛を受けながら別の町に潜伏するが、しかしこれはアレッサンドラを囮にしてトロッタを捕まえようとするFBIの作戦だった。

アレッサンドラを騙していることに後ろめたさを感じるハリーと、ハリーと一緒に過ごすうちに彼を信じ愛してしまうアレッサンドラ。そこにマフィアの魔手が襲いかかってくる。


2000年のRITA賞を受賞したロマンチック・サスペンスです。

マフィアに妻子を殺された事から、何かにとりつかれたようにトロッタを追い続けているハリーは、復讐を誓いながらも生き残った子供とふれあう時間もないFBI捜査官という仕事に実は嫌気がさしている。

一方アレッサンドラは、自分には美貌しか取り柄が無いと思い込んでいるが、知的で勇気ある前向きな考えの女性。

そんな二人が惹かれあっていくロマンスと、ハリーの同僚捜査官の複雑な私生活が交差しながら、トロッタに狙われるアレッサンドラの反撃が素直に楽しめるロマンチック・サスペンスです。