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サラ・ウォーターズ 「半身」の感想です。

サラ・ウォーターズ「半身」☆☆

半身

19世紀イギリス・ロンドン、当時としては進歩的な教育を受けた貴婦人マーガレット・プライアはミルバンク監獄を慰問に訪れ、監獄に収監されている一人の女囚シライナ・ドーズと出会った。

マーガレットは自己を確立させてはいる女性だったが、父を亡くしたばかりで精神的に不安定な状態にあった。

そんな彼女を自分の牢屋で出迎えたシライナは、自分は霊媒だと語る。

美しいシライナと出会ってから、マーガレットの周囲では不思議な事が次々と起こり、マーガレットは我知れずシライナに引き寄せられていく。


2003年週刊文春ミステリーベスト10とこのミステリーがすごい!海外編の1位をとった話題作ですけど、どちらかと言えばミステリィというよりも文学的な色彩が強い作品です。

世間の評価は高く、興味深い話ではあるものの、全体的に重く暗くて、管理人の好みとは言えない作品でした。

管理人はもっと軽くてサクサク読める単純なエンターテイメントが好きです。

管理人の読み方にも問題があるのでしょうけど、何だかスッキリしない人物が描かれていて、う~ん・・・という感じ。

ただ不穏で怪しげで抽象的な印象を受ける物語は、結末の種明かしで納得できる形でキチンと終わります。暗いけどね。