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スーザン・エリザベス・フィリップス 「キスミーエンジェル」の感想です。

スーザン・エリザベス・フィリップス「キスミーエンジェル」☆☆

キスミーエンジェル

自分に自信が持てないデイジーは、一見すると金持ちの軽薄な娘に見えるが、実はとても古風な気質を持つ女性。

両親は離婚していて、デイジーは元売れっ子ファッションモデルで奔放な性格の母親と一緒に優雅に暮らしていたが、母親が突然死したことにショックを受けて、収入もないのに大きな散財を繰り返した結果借金がかさみ、刑務所行き寸前の状況になる。

気が進まぬながらも疎遠だった資産家の父親に救いを求めたところ、父は交換条件として、ある男性との結婚を申し渡す。

背に腹は変えられず、会ったこともない男性と結婚するが、結婚相手のロシア系アメリカ人アレックスはサーカスの興行を生業としていて、デイジーは粗末なトレーラーハウスでアレックスと暮らすことになる。

初めのうちこそ慣れない環境に戸惑い、サーカスの動物たちに怯えるデイジーだったが、徐々に持ち前の負けん気と素直な気持ちでサーカスでの生活に溶け込んで行き、デイジーを甘やかされて育った何も出来ないわがまま娘だと疎んじていたアレックスも、彼女の本当の姿に気がつき惹かれ始めていく。


有り得ないような話が淡々と進むロマンス小説で、取り立てて大事件が起こるわけでもありませんが、起伏がない分情感がゆったりと味わえる予定調和のラブロマンスです。

こんな事絶対ないよとか、こんな事言う奴いないって・・・なんて風に思いながら、平和な気分でラブストーリーを堪能できます。