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五十嵐貴久「編集ガール!」の感想です。

五十嵐貴久「編集ガール!」☆☆☆

編集ガール!

中堅出版社に勤める高沢久美子27歳は、人を使うよりも人に使われた方が気楽で良いと考えている経理部員。

同じ出版社に勤める3つ年上の単行本編集部副編集長の加藤学とは社内恋愛中で、そろそろ結婚しようかと話しているところ。

そんな彼女に、ある日独特のセンスで業績を伸ばしてきたワンマン社長の長沼からお呼びがかかる。

社長命令で全社員が作成した企画書。久美子が深く考えずに適当に書いて提出した企画が、何と長沼社長のお眼鏡にかない、久美子の企画書の通りに通販とコラボした新しい女性ファッション誌を立ち上げる事に決まったという。

そしてその編集長には、企画書を提出した久美子にお願いするとの事。

編集経験もない27歳の小娘にそんな大それた事など出来ないと固辞しても、長沼は一切聞く耳を持たず、泣いて嫌がる久美子はいつの間にやら新雑誌編集長になってしまう。

しかも編集部員として配属されて来たのは、久美子と同年代のシステム部員、今年入社したばかりの女子社員、定年間際の営業一筋の紳士、そして誰にも話していないけど結婚する予定の恋人・学。

学以外は編集の素人ばかりで、こんな状況で私は何をすれば良いの?


編集など何も知らない素人のOLが、頑張って雑誌を作るまでのドタバタを描いた、働く女性を応援するようなビジネス小説です。

もちろん、こんなにうまく行くわきゃないでしょうと思いますけど、それでも頑張った分だけ充足感があって、人間的に成長して、最後はハッピーとなる物語は心地良いものです。

基本的に管理人はこういう作品が好き。

もっと書き込んで欲しいと思うところもありますが、面白い作品です。