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加納朋子「月曜日の水玉模様」の感想です。

加納朋子「月曜日の水玉模様」☆☆

月曜日の水玉模様

加納朋子お得意の日常で起こる事件を描いた連作短編集で、「月曜日の水玉模様」「火曜日の頭痛発熱」「水曜日の探偵志願」「木曜日の迷子案内」「金曜日の目撃証人」「土曜日の嫁菜寿司」「日曜日の雨天決行」の7篇を収録しています。

通勤電車の中で知り合った、丸の内の会社に務めるOL片桐陶子と、リサーチ会社の調査員萩広海が、どちらがホームズでどちらがワトソンかは不明ながらも、鋭い洞察力を発揮して謎解きに活躍する身近なミステリィです。

出会いに偶然が多いし、陶子さんの推理も都合が良すぎるし、ミステリィの出来栄えは今ひとつという感じがします。

そういう点では、もっと納得できる作品が書ける作家なだけに少し残念ですが、染み透る優しさのようなものが感じられるのは、流石だと思います。