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ヴォンダ・N・マッキンタイア 「夢の蛇」の感想です。

ヴォンダ・N・マッキンタイア「夢の蛇」☆☆

夢の蛇

核戦争後の荒廃した世界が舞台。

医師がいない社会で人々を治療するのは、蛇の毒を化学変化させて人々を治療する治療師たちだった。

優れた治療師であった女性スネークは、荒野に住む一族の治療を行った際に、蛇に恐れを抱いた村人に異星人から送られたとされる貴重な蛇を殺されてしまう。

殺された蛇は夢の蛇と呼ばれる貴重な種であり、スネークは新しい夢の蛇を手に入れるため旅に出る。

しかしそんなスネークを狙う謎の影があった・・・。


物語はスネークが夢の蛇を手に入れるための旅を中心にして展開していきます。

荒野に存在する都市に住む人々や夢の蛇に関係する謎の異星人など、彼女が旅の間に出会う幾つもの事象はありますけど、特に世界全体の謎解きをするような事はなく、謎は謎としたままで、荒廃した世界に生きる人々を淡々と描きながら物語は進みます。

どのような境遇にあろうとも、人間は誇り高く生きていくものだという世界観の中で、自分に出来る事をこなして旅を続けるスネークと、彼女に惹かれ後を追う青年アレヴィンの物語はなかなか興味深い作品でした。