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スーザン・エリザベス・フィリップス 「あなただけ見つめて」の感想です。

スーザン・エリザベス・フィリップス「あなただけ見つめて」☆☆☆

あなただけ見つめて

やり手実業家だったけど娘には冷淡だった資産家の父親が亡くなり、葬儀のためシカゴに戻ってきたフィービー。

18歳の時に父に反抗して家を出て、それ以来一人で身を立ててきたフィービーは、誰もが目をとめる立派な胸を持つ超セクシー美女で、ニューヨークで有名な芸術家のモデルなどをして暮らしていた。

亡き父は生前公言していた通りに遺産のほとんどを腹違いの妹モリーに遺し、自分の思い通りにならなかったフィービーに対しては、アメフト・チーム「シカゴ・スターズ」のオーナーの地位を渡すが、それもチームを今季の地区優勝に導くのが条件の限定相続。

フットボールなど全く興味がなく、身体が大きくて逞しい男が実は怖いフィービーは遺産などどうでも良かったが、オーナーのフィービーがサインしないとどうしようもない書類が山積みで事務処理が滞り、かつては伝説の名選手だったスターズの新コーチ、ダン・エイルボーは強引に彼女をチームのクラブハウスに引きずり出す。

葬儀と雑事を済ませたらニューヨークに帰って、自分のこれからのキャリアを築く積りだったフィービーだったが、ダンに説得されてイヤイヤながら持ち前の負けん気と責任感からスターズ・オーナーとしての仕事に就くことにする。

チームと一緒の行動を取るうちに家族同然になる選手たちに心を開き、本気でチームの勝利を願うようになるフィービーは、頑固で怒りっぽいがフットボールには真摯な姿勢で臨み、見かけとは裏腹に気持ちの優しいダンにいつしか恋してしまう。

始めはフィービーを美人だが頭が空っぽのバカ女だと決めつけていたダンもまた、フィービーを知るにつけ見かけと違って頭が良くて思いやりと責任感のある彼女に強く惹かれて行くのだが・・・。


アメリカン・フットボールの関係者が主人公のロマンス小説「シカゴ・スターズ」シリーズの第1作目の作品で、1995年のRITA賞を受賞しています。

セクシーでゴージャスな外見と仕草で心の中の不安を隠す美女と、マッチョな外見とは異なる繊細な優しさを持つ筋肉マンとのロマンスを描いた作品です。

冷たい家族の中で育ち、恵まれない子供時代を過ごしたことから、沢山の子どもに囲まれた暖かい家庭を築きたいと願っている二人ですけど、お互いに相手はそんなタイプではないと思い込んで恋の行方に悩む。

そんな二人の恋愛を、負けるわけには行かないアメリカン・フットボールの試合や、二人を襲う悪意などをからませて描いた甘々のロマンス小説です。

「シカゴ・スターズ」シリーズ。

  1. 「あなただけ見つめて」(本書)
  2. ロマンティック・ヘヴン
  3. あなたがいたから
  4. あの夢の果てに」
  5. 湖に映る影」
  6. まだ見ぬ恋人
  7. いつか見た夢を