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ダン・シモンズ「ダーウィンの剃刀」の感想です。

ダン・シモンズ「ダーウィンの剃刀」☆☆☆

ダーウィンの剃刀

保険会社からの依頼を受けて事故の復元調査を行うダーウィン・マイナーを主人公にしたアクション小説です。

読み始めのうちは、ちょいと皮肉の効いた小粋なハードボイルド風探偵小説かと思いましたが、読み進んで行くうちに派手なアクション小説の様相を表し始めて、主人公のダーウィンも知的でシニカルな事故復元調査員から、不死身の冒険者のように変化していって、殆どスーパーマンの様な大活躍をします。

その辺りがあまり無理なく展開していくのですんなりと読める感じで、お終いの方は結構夢中になりました。

ダン・シモンズと言えば「カーリーの歌」や「ハイペリオン」シリーズのようなSF・ホラー作家というイメージを持っていたのですけど、多彩なエンターテイメント小説を発表しているようです。

サスペンス・ミステリィに関しては、独自のアイディアを持っているようには思えませんが、様々な素材を上手く組み合わせて上質な作品を生み出していく才能はたいしたものです。