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ジョン・グリシャム「大統領特赦」の感想です。

ジョン・グリシャム「大統領特赦」☆☆

大統領特赦

かつては辣腕ロビイストとして政界に大きな影響力を持っていた元弁護士バックマンは、所有国不明の最新軍事衛星システムにかかわる一大スキャンダルの渦中にあって、自ら罪を認めて刑に服していた。

ところが史上最低の無能大統領と刻印を押された現職大統領モーガンが、引退する間際に突然バックマンを大統領特赦により釈放する事を決める。

パックマンは問答無用で軍用機に乗せられ、新しい身分を与えられた上でヨーロッパ・イタリアに送られるが、しかしこれにはバックマン事件の真相を探ろうと考えるCIAの陰謀が隠されていた。

最新軍事衛星の秘密を探る各国の諜報機関がバックマンを追う中で、バックマンの逃亡劇が始まる。


リーガル・サスペンスの巨匠ジョン・グリシャムの国際謀略サスペンスです。

軍事衛星システムを巡る謎や、イタリア・ボローニャに身分を変えて潜伏したバックマンが、彼を追う複数の諜報組織の手をいかにして逃れるのかという辺りも興味深いですけど、平和なイタリア地方都市ボローニャの観光案内のような描写とか、イタリア語のレッスンを美人教師から受ける場面などが魅力的な味わいを出しています。

謀略サスペンスなのにどことなく落ち着いた雰囲気があって、ちょっとイタリアの地方都市に行ってみたくなるような小説です。

単純なアクション・サスペンスを求めている人には向いていないかも知れません。