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ジェイン・アン・クレンツ「琥珀色の光のなかを」の感想です。

ジェイン・アン・クレンツ「琥珀色の光のなかを」☆☆

琥珀色の光のなかを

亡霊と会話ができる能力を持つ女性グウェン。

正確には亡霊と会話するというよりも、事件現場を目撃すると、無意識のうちに様々な事を連想し、それを白昼夢のような形で見ているのだが、彼女は親しかった女性イヴリンの家を訪れたところイヴリンの死体とその亡霊に出くわす。

一見すると自然死のように見えるが、グウェンにはイヴリンが超常的な方法によって殺害されたように見え、グウェンの前に現れたイヴリンの亡霊も2年前に起きた同様の連続殺人事件との関連を語った。

自分一人の手には負えないと考えたグウェンは、超常現象のコンサルタントをするジャドソンに調査協力を依頼する。

ジャドソンもまた強い超能力を持つ男性だったが、以前自分を殺そうとしてかけられた罠から命からがら脱出した事件の影響で、心に深い傷を負っていた。

一月前にグウェンの親友とジャドソンの兄の婚約で知り合った二人は、お互いに強く惹かれ合ったものの、自分の殻に閉じこもりたいジャドソンは心理カウンセラーのグウェンとは一歩距離を置こうとしている。

そうした中で新たな事件が発生して・・・。


フェニックスに唇が触れる」に続く、特殊な水晶の力を利用する超能力者一族を主人公にしたダーク・レガシー・シリーズの2作目です。

ジャドソンを一目見て運命の人だわと思い込むグウェンと、グウェンに強く惹かれながらも彼女が自分に興味を示すのはカウンセラーとしてだと考えて気持ちが落ち込むジャドソン。

それに超常能力を持つ殺人狂が絡んで、なかなかジェイン・アン・クレンツらしさを感じる面白いロマンチック・サスペンスです。

お終いの方ではアーケイン・ソサエティのシリーズと繋がっていくような展開もあって、次の作品が楽しみになります。