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ジル・マリー・ランディス「悲しみを乗りこえて」の感想です。

ジル・マリー・ランディス「悲しみを乗りこえて」☆☆

悲しみを乗りこえて

カリフォルニアの鄙びた観光地トワイライト・コーヴを舞台にしたロマンス小説シリーズの第2作目になります。


ロスで探偵業を営む女性カートは、夫の浮気現場を目撃し逆上した顧客が発砲するのを止めようとして腕を負傷する。

常に自分を追い込むように働き続けるカートを心配したかつての共同経営者ジェイクは、カリフォルニアの海沿いにある田舎町トワイライト・コーヴにあるジェイクの家で、留守番がてら養生することをカートに勧める。

たまには仕事を忘れて静養しろというジェイクの忠告に従って、ジェイクの家でブラブラしていたカートだったが、そこにジェイクを名探偵だと聞いたタイ・チャンドラーという男が訪れて来て、昔の恋人との間に生まれた子供を探して欲しいと話す。

全てを捧げた婚約者に裏切られた経験から、二度と男性を愛すまいと決めていたカートだったが、タイの魅力的な振る舞いには心を惹かれる。

退屈を持て余していた事もあって調査を始めたカートは、ロスに住むタイの19歳になる娘サニーを見つけ、ジェイクと共にサニーの元を訪れるが、曰く有りげな仲間たちと暮らしているサニーは、いきなり現れて父親だと名乗るタイを警戒した目で見つめるだけだった。

しかしその数日後、サニーは幼い娘を連れてタイの前に突然現れる。


疑うことを知らない純情な娘の頃に愛する人から受けた仕打ちから、恋愛に臆病になっている女性カート。そんな彼女を深く愛するようになるが、彼女の心を開く方法が分からず戸惑う男ジェイク。そしてジェイクが知らないうちにこの世に生を受け、過酷な人生を歩んできた娘サニー。

様々な角度から描かれた、家族の再生とロマンスを描いた作品です。


「トワイライト・コーヴ」シリーズ。
追いつめられて
「悲しみを乗りこえて」(本書)
ただもう一度の夢