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カレン・ローズ「愛の炎が消せなくて」の感想です。

カレン・ローズ「愛の炎が消せなくて」☆☆

愛の炎が消せなくて

環境保護に熱意を抱く若者4人が、湿地帯に新しく建てられたコンドミニアムへ放火するが、しかし無人のはずのコンドミニアムには少女がいた。

少女を救おうとした若者は仲間に無理やり止められて意識を失い、脅迫を生業にしている男が彼らの放火現場を密かに盗撮している。

放火を発見した警備員は脅迫者を放火犯と勘違いして脅迫者に射殺され、更にその現場を目撃している少年がいた。

コンドミニアムは消失し、少女の焼死体が見つかり、そして射殺された警備員の死体が発見される。

火災現場で消火活動をしていた消防士のデイヴィッドは、焼死した少女が窓に残した跡と謎めいた地球儀を発見し、事件を担当する刑事オリヴィアに状況を説明する。

火災現場で再会したデイヴィッドとオリヴィアだったが、実はデイヴィッドは8年前に一夜をともに過ごしたオリヴィアの事が忘れられず、彼女を追ってこの街に来たオリヴィアの運命の男性だった。


女性刑事と消防士の恋を連続放火殺人事件にからめて描いた2011年のRITA賞受賞のロマンチック・サスペンスです。

カレン・ローズ作品らしいサスペンス重視のロマンス小説ですけど、どちらかと言えばサスペンス・ミステリィの要素の方が強い作品でした。

例えば主人公二人の気持ちのすれ違いとか、そういった場面は比較的少なくて、犯人を追う場面のほうが多い印象です。

そういう意味では純粋にロマンス小説を読みたい人には向いていない作品だと思います。

復讐の瞳」の主人公に片思いしていた男性が主人公デイヴィッドのようですが、また他にもこの作品の前日譚があるようで、そちらは未訳のようなのが残念です。

もちろんこれだけで完結した作品なので、こちらだけ読んでも問題はないですけど、おそらく順番に読んだほうが分かりやすいんでしょうね。