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宮部みゆき「あやし」の感想です。

宮部みゆき「あやし」☆☆☆

あやし

夏場に寄席で語られる怪談話のような風情を感じる、江戸時代を舞台にした怖い話9篇を集めた宮部みゆき風の怪談・奇談です。

幽霊やお化けなどが目の前に現れる話ばかりではなく、時には人間の中にある闇を描いて、誰しもが持つ暗い部分を浮かび上がらせたりしています。

ただし、怖い話であっても全体的に感じる宮部ワールド特有の安心感が有って、不思議な話だけど嫌な感じは受けない怪談が揃っています。

本当に達者な作家ですねぇ。