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オースン・スコット・カード 「シャドウ・オブ・ヘゲモン」の感想です。

オースン・スコット・カード「シャドウ・オブ・ヘゲモン」☆☆

シャドウ・オブ・ヘゲモン

「エンダーズ・シャドウ」の続編になるSF小説です。

エンダーのゲーム」から始まる一連の作品を読んでいないと作品中の世界がピンと来ないと思いますし、少なくとも「エンダーズ・シャドウ」は読まないとこの作品の世界には入れないと思います。


人類が宇宙で出会った宿敵バガーとの全面対決を圧倒的勝利で収めた後の、地球の内情を描いた作品になります。

大きな敵と対峙している時には纏まっていた地球だが、その敵を打ち破った後は列強間の対立が表面化し、それぞれが自分たちの勢力を拡大しようと動き出す。

そうした中で、対バガー戦での勝利に大きく貢献したバトル・スクール出身の少年たちを利用して地球での覇権を狙う動きが出始め、主人公ビーンの宿敵で他人を意のままに操る少年アシルは、混沌とする状況を利用して密かに陰謀を巡らす。


危険な少年アシルが何故にこれ程の力を持ちうるのかが正直分かりづらいですね。

アシルが精神的に不安定な殺人癖のある少年で、巧みに嘘をつき他人を惑わすという事実が知れ渡ったら、そうは従う人間が出てくるとも思えません。

「エンダーズ・シャドウ」は面白かったですけど、この作品は何か物足りない感じです。