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石塚真一「BLUE GIANT SUPREME」の感想です。

石塚真一「BLUE GIANT SUPREME」☆☆☆

BLUE GIANT SUPREME

世界一のジャズプレーヤーを目指すという熱血青年・宮本大を主人公にした傑作ジャズマンガ「BLUE GIANT」の続編というか、おそらく第2部となる作品です。


同じ歳の沢辺雪祈、玉田俊二と3人で始めたジャズバンド「ジャス」が解散した後、大は仙台にサックスの師匠・由井を訪ねジャズプレーヤーとして更なる高みを目指すため海外に行くことを相談する。

由井が大に勧めたのは、ジャズの本場であるアメリカではなく、欧州ドイツの地だった。

ドイツ語どころか英会話ですら怪しい大だったが、臆することなくドイツ・ミュンヘンへと旅立った。

しかし実績のない日本人に客の前で演奏する機会はなかなか与えられず、大は仙台でサックスを始めた頃と同じように川べりで練習をするのだが・・・。


ドイツに行った宮本大が、さまざまな出会いを通してジャズプレーヤーとして成長していく姿を描く音楽マンガで、第1部の「BLUE GIANT」がさらにスケールアップしていく印象です。

ミュンヘンで演奏する場も与えられない大が、そういう状況にあっても腐るでもなく、地道に前を向いて今自分ができることをしていると、そういう大を助けてくれる人物が現れます。

そういう出会いがあり、大の真摯さと熱意を認めてくれる人たちがいて、それが大のサックスの音楽性を認める人たちに繋がっていき、更に大は自分と合うプレーヤーと活躍の場を求めて行く。

あくまでも前向きな物語ですので、読んでいて気持ちが上向きになります。

シリーズ第2部である作品はコミック本の11巻で完了し、物語は第3部「BLUE GIANT EXPLORER」にて、いよいよ舞台がジャズの本場アメリカに移ります。

この先がどうなるのか分かりませんけど、新刊が出るのが楽しみなジャズマンガの傑作シリーズです。