面白い本を探す

浅田次郎 「天切り松 闇がたり4 昭和侠盗伝」の感想です。

浅田次郎「天切り松 闇がたり4 昭和侠盗伝」☆☆☆

天切り松 闇がたり4 昭和侠盗伝

義理と人情に生きた目細の安吉一家の、天切り松こと村田松蔵が留置場で語る大正から昭和初期にかけた人情物語「天切り松シリーズ」の第4作目です。


第1巻から第3巻までは天切り松がまだ子どもから青年の頃、大正ロマンの花が咲く時代がメインの物語でしたが、この作品では時代が満州事変にかかる昭和に移り、安吉親分や兄貴分も衰えが見え始め、ややトーンが暗くなっているのは仕方がないかもしれません。

心なしか3巻までの切れの良さも感じられなくなってきたように思いますけど、やはり無理をしてでも格好良く生きていたいという男たちの心意気のようなものが伝わってきます。

格好良すぎるアウトローの物語を読むと涙腺が緩くなって仕方がありません。