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浅田次郎 「天切り松 闇がたり2 残侠」の感想です。

浅田次郎「天切り松 闇がたり2 残侠」☆☆☆

天切り松 闇がたり2 残侠

天切り松との二つ名を持つ昔気質のスリ村田松蔵が、留置所で語る大正ロマンの時代の盗賊たちの鮮やかな姿を描いたシリーズ第2作です。


兎も角、登場するスリや盗賊たちの格好の良さよ。

何と今回は清水の次郎長一家の侠客・小政が年老いて尚小粋という風に登場してきます。

もちろん裏街道に生きる犯罪者なんですけど、そんな犯罪者といった感じは全くしません。

一種の義賊みたいな雰囲気があるからでしょうね。

そういう昔の人たちの、損得勘定だけで生きているわけじゃない心意気が伝わって来ます、

痛快で尚且つ物悲しさを感じさせる物語は、浅田次郎の真骨頂というところでしょうか。

現実にはなかなか難しいのは分かっていますけど、格好良く生きるって大切だよなぁと思います。