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柴田錬三郎賞を受賞した作品の一覧です。

柴田錬三郎賞受賞作

柴田錬三郎賞は1988年に「眠狂四郎」シリーズでお馴染みの作家柴田錬三郎の業績を称えて創設された文学賞です。集英社と一ツ橋綜合財団が主催して、年1回その年の「真に広汎な読者を魅了しうる作家と作品」に与えられます。
以下は受賞作の一覧です。

第36回(2023年)

池井戸潤 : ハヤブサ消防団
  • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る───。連続放火事件に隠された真実とは?
(「内容紹介」より)

第35回(2022年)

金原ひとみ : ミーツ・ザ・ワールド

    焼肉擬人化漫画をこよなく愛する腐女子の由嘉里。人生二度目の合コン帰り、酔い潰れていた夜の新宿歌舞伎町で、美しいキャバ嬢・ライと出会う。「私はこの世界から消えなきゃいけない」と語るライ。彼女と一緒に暮らすことになり、由嘉里の世界の新たな扉が開く――。
    (「内容紹介」より)

    第35回(2022年)

    青山文平 : 底惚れ

      一季奉公を重ねて四十も過ぎた。己れを持て余していた男は、密かに想いを寄せていたお手つき女中・芳の二度と戻れぬ宿下がりの同行を命ぜられる。芳への理不尽な扱いに憤り、男は彼女に奉公先を見返す話を持ちかけた。初めての極楽を味わったその夜、芳は男を刺し、姿を消した。芳に刺されて死ねるのを喜ぶ男。しかし、意に反して男は一命をとりとめた。人を殺めていないことを芳に伝えるため、どん底の岡場所のどん底の女郎屋の主となって芳を探すが……。
      (「内容紹介」より)

      第34回(2021年)

      朝井リョウ : 正欲

        自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繫がりは、”多様性を尊重する時代"にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。
        (「内容紹介」より)

        第34回(2021年)

        朝井まかて : 類

          明治44年、文豪・森鴎外の末子として誕生した類。優しい父と美しい母志げ、姉の茉莉、杏奴と千駄木の大きな屋敷で何不自由なく暮らしていた。大正11年に父が亡くなり、生活は一変。大きな喪失を抱えながら、自らの道を模索する類は、杏奴とともに画業を志しパリへ遊学。帰国後に母を看取り、やがて、画家・安宅安五郎の娘と結婚。明るい未来が開けるはずが、戦争によって財産が失われ困窮していく――。昭和26年、心機一転を図り東京・千駄木で書店を開業。忙しない日々のなか、身を削り挑んだ文筆の道で才能を認められていくが……。明治、大正、昭和、平成。時代の荒波に大きく揺さぶられながら、自らの生と格闘し続けた生涯が鮮やかによみがえる圧巻の長編小説。
          (「内容紹介」より)

          第33回(2020年)

          伊坂幸太郎 : 逆ソクラテス

            逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える――「逆ソクラテス」足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが――「スロウではない」最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも――「アンスポーツマンライク」ほか、「非オプティマス」「逆ワシントン」――書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。
            (「内容紹介」より)

            第32回(2019年)

            姫野カオルコ : 彼女は頭が悪いから

              横浜市青葉区で三人きょうだいの長女として育ち、県立高校を経て中堅の女子大学に入った美咲と、渋谷区広尾の国家公 務員宿舎で育ち東大に入ったつばさ。偶然に出会って恋に落ちた境遇の違う二人だったが、別の女の子へと気持ち が移ってしまったつばさは、大学の友人らが立ち上げたサークル「星座研究会」(いわゆるヤリサー)の飲み会に美咲を呼ぶ。そ して酒を飲ませ、仲間と一緒に辱めるのだ…。美咲が部屋から逃げ110番通報したことで事件が明るみに出る。 頭脳優秀でプライドが高い彼らにあったのは『東大ではない人間を馬鹿にしたい欲』だけ だったのだ。さらに、事件のニュースを知った人たちが、SNSで美咲を「東大生狙いの勘違い女」扱いするのだ。読み手の無意識下にあるブランド意識、優越感や劣等感、学歴による序列や格差の実態をあぶり出し、自分は加害者と何が違うのだと問いかけ、気づきを促す社会派小説の傑作!
              (「内容紹介」より)

              第31回(2018年)

              奥泉光 : 雪の階

                昭和十年、秋。笹宮惟重伯爵を父に持ち、女子学習院高等科に通う惟佐子は、親友・宇田川寿子の心中事件に疑問を抱く。冨士の樹海で陸軍士官・久慈とともに遺体となって発見されたのだが、「できるだけはやく電話をしますね」という寿子の手による仙台消印の葉書が届いたのだ――。富士で発見された寿子が、なぜ、仙台から葉書を出せたのか? この心中事件の謎を軸に、ドイツ人ピアニスト、探偵役を務める惟佐子の「おあいてさん」だった女カメラマンと新聞記者、軍人である惟佐子の兄・惟秀ら多彩な人物が登場し、物語のラスト、二・二六事件へと繋がっていく――。
                (「内容紹介」より)

                第30回(2017年)

                花村萬月 : 日蝕えつきる

                  天明6年元日、皆既日蝕でこの国が闇に包まれた。その最中に無惨にも死んでいく男女。飯盛女から夜鷹となり、唐瘡に罹ってしまう千代。戯者の夢と裏腹に陰間茶屋で暮らすことになる吉弥……。天災や大飢饉にみまわれた世の底辺で、這いずるように生きて死ぬ人間の姿が克明に描かれる。救いのなさに思わず目を背けたくなるが、克明な描写の粘度が目を捉えて離さない5編。
                  (「内容紹介」より)

                  第29回(2016年)

                  井上荒野 : 赤へ

                    母が住み込みで管理人兼料理人を務める藤田一家の別荘を訪れた昌。一家と昌母娘の団らんはいつもの光景だったがこの夏は少し違っていた。十九年前にこの別荘で起こった事故の真相を昌が知ってしまったからだ。昌は一家に知られないようふるまうが…(「時計」より)。ふいに浮かび上がる「死」の気配。そのとき炙り出される人間の姿とは。直木賞作家が描く、傑作短編集。
                    (「内容紹介」より)

                    第28回(2015年)

                    中島京子 : かたづの!
                    • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                    八戸南部氏の姫・祢々の江戸時代で唯一の女大名として生きてきた波乱万丈の生涯を、一本角の羚羊=片角(かたづの)の目を通して描いた歴史小説。

                    第27回(2014年)

                    木内昇 : 櫛挽道守
                    • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                    幕末、木曽山中の小さな宿場町。年頃になれば女は嫁すもの、とされていた時代、父の背を追い、櫛挽職人をひたむきに目指す女性を描く。中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞受賞作。
                    (「内容紹介」より)

                    第26回(2013年)

                    東野圭吾 : 夢幻花
                    • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                    花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。遺体の第一発見者である孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップする。それを見て身分を隠して近づいてきたのが、警察庁に勤務するエリート・蒲生要介。ふとしたことから、その弟で大学院生の蒼太と知り合いになった梨乃は、二人で事件の真相解明に乗り出す。一方、西荻窪署の刑事・早瀬も、別の思いを胸に事件を追っていた……。
                    (「内容紹介」より)

                    第25回(2012年)

                    角田光代 : 紙の月

                      ただ好きで、ただ会いたいだけだった―――わかば銀行の支店から一億円が横領された。容疑者は、梅澤梨花四十一歳。二十五歳で結婚し専業主婦になったが、子どもには恵まれず、銀行でパート勤めを始めた。真面目な働きぶりで契約社員になった梨花。そんなある日、顧客の孫である大学生の光太に出会うのだった・・・・・・。あまりにもスリリングで、狂おしいまでに切実な、傑作長篇小説。
                      (「内容紹介」より)

                      第24回(2011年)

                      京極夏彦 : 西巷説百物語

                        人が生きて行くには痛みが伴う。そして、人の数だけ痛みがあり、傷むところも、傷み方もそれぞれちがう……様々に生きづらさを背負う人間たちの業を、林蔵があざやかな仕掛けで解き放つ。
                        (「内容紹介」より)

                        第23回(2010年)

                        吉田修一 : 横道世之介
                        • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                        横道世之介。長崎の港町生まれ。その由来は『好色一代男』と思い切ってはみたものの、限りなく埼玉な東京に住む上京したての18歳。嫌みのない図々しさが人を呼び、呼ばれた人の頼みは断れないお人好し。とりたててなんにもないけれど、なんだかいろいろあったような気がしている「ザ・大学生」。どこにでもいそうで、でもサンバを踊るからなかなかいないかもしれない。なんだか、いい奴。――世之介が呼び覚ます、愛しい日々の、記憶のかけら。名手・吉田修一が放つ、究極の青春小説!
                        (「内容紹介」より)

                        第22回(2009年)

                        篠田節子 : 仮想儀礼

                          ゲーム作家に憧れて職を失なった正彦は、桐生慧海と名乗って、同じく失業者の矢口と共に金儲け目当ての教団「聖泉真法会」を創設する。悩める女たちの避難場所に過ぎなかった集まりは、インターネットを背景に勢力を拡大するが、営利や売名目的の人間たちの介入によって、巨額の金銭授受、仏像や不動産をめぐる詐欺、信者の暴力事件、そして殺人など続発するトラブルに翻弄される。
                          (「内容紹介」より)

                          第22回(2009年)

                          村山由佳 : ダブル・ファンタジー

                            女としての人生が終わる前に性愛を極める恋がしてみたい。35歳の脚本家・高遠奈津の性の彷徨が問いかける夫婦、男、自分自身
                            (「内容紹介」より)

                            第21回(2008年)

                            唯川恵 : 愛に似たもの

                              女心の落とし穴…。幸せを求めただけなのに、何かが少しずつずれてゆく。欲や優越感、嫉妬が呼び込む、思わぬ人生の落とし穴。女心のあやと毒を描き出す、どこにでもいる8人の女性たちの物語。
                              (「内容紹介」より)

                              第20回(2007年)

                              奥田英朗 : 家日和
                              • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                              ネットオークションにはまる専業主婦、会社が倒産し主夫となった夫、ロハスに凝る妻に辟易する小説家の夫……など。あたたかい視点で描く新しい家族の肖像。第20回柴田錬三郎賞受賞作。
                              (「内容紹介」より)

                              第19回(2006年)

                              小池真理子 : 虹の彼方

                                48歳の人気女優志摩子と43歳の売れっ子作家の正臣が出会い、恋に落ちる。不倫という立場から、息を潜めながら、逢瀬を重ね合う二人。すべてを投げ捨て、逃避行を決断するが…。
                                (「内容紹介」より)

                                第18回(2005年)

                                橋本治 : 蝶のゆくえ

                                  子供を虐待する若夫婦、定年退職した夫を若者たちに殺された妻、夫の両親と同居したことから人生の歯車が狂っていく上流家庭の主婦など、現代の女たちを取り巻く人間関係を鋭く描く短編集。第18回柴田錬三郎賞受賞作。
                                  (「内容紹介」より)

                                  第17回(2004年)

                                  大沢在昌 : パンドラ・アイランド

                                    東京から七百キロ、小笠原の先にある一見平和でのどかな南の楽園・青國島。一人の男がこの島にやってきた。高州康彦、四十一歳、元刑事。彼の仕事は“保安官”。司法機関のないこの島での治安維持が任務だ。都会での生活に疲れ、妻とも離婚し、平穏な暮らしを求めてやってきた。そんな高州の願いは、一人の老人の死によって打ち破られた。泥酔して海に転落した草引の死に疑問を抱く高州。島特有のしきたり、排他的な島の人々……さまざまなものが捜査の行方を阻む。
                                    (「内容紹介」より)

                                    第17回(2004年)

                                    桐野夏生 : 残虐記

                                      自分は少女誘拐監禁事件の被害者だったという驚くべき手記を残して、作家が消えた。黒く汚れた男の爪、饐えた臭い、含んだ水の鉄錆の味。性と暴力の気配が満ちる密室で、少女が夜毎に育てた毒の夢と男の欲望とが交錯する。誰にも明かされない真実をめぐって少女に注がれた隠微な視線、幾重にも重なり合った虚構と現実の姿を、独創的なリアリズムを駆使して描出した傑作長編。
                                      (「内容紹介」より)

                                      第16回(2003年)

                                      藤堂志津子 : 秋の猫

                                        男はもうこりごり、と思った私は念願の猫を飼うことに。だが二匹のうち一匹がどうしてもなつかず…「秋の猫」。表題作ほか、動物との交流を通して癒されていく女達を描く短編集。
                                        (「内容紹介」より)

                                        第15回(2002年)

                                        坂東眞砂子 : 曼荼羅道

                                          戦中にマレー半島に渡り、現地妻サヤを娶った富山の薬売り・蓮太郎。その孫にあたる麻史と妻・静佳。2組の男女の愛憎が、時空を超えて「曼荼羅道」で交錯する。濃密に描く傑作長編。
                                          (「内容紹介」より)

                                          第14回(2001年)

                                          志水辰夫 : きのうの空

                                            見上げた空は果てしなく高かった。都会での華やかな暮らし、想い続けている人の横顔が、ふわり浮かんだ。だが、この地にしがみつき、一日一日をひたすらに積み重ねなければ、生きてゆけなかった。わたしの帰りを家族が待っていた。親やきょうだいは、ときに疎ましくときには重く、ただ間違いなく、私をささえていた。名匠が自らを注ぎこみ、磨き続けた十色の珠玉。
                                            (「内容紹介」より)

                                            第13回(2000年)

                                            浅田次郎 : 壬生義士伝

                                              小雪舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、満身創痍の侍がたどり着いた。貧しさから南部藩を脱藩し、壬生浪と呼ばれた新選組に入隊した吉村貫一郎であった。“人斬り貫一”と恐れられ、妻子への仕送りのため守銭奴と蔑まれても、飢えた者には握り飯を施す男。元新選組隊士や教え子が語る非業の隊士の生涯。
                                              (「内容紹介」より)

                                              第13回(2000年)

                                              西木正明 : 夢顔さんによろしく

                                                華やかな青春時代を送った名門・近衛家の嫡男・文隆は、父・文麿の総理就任を機に、政治の世界へ。日中戦争終結のために奔走するが、苛酷な運命に巻き込まれ…。ノンフィクション・ノベルの傑作。
                                                (「内容紹介」より)

                                                第12回(1999年)

                                                池宮彰一郎 : 島津奔る

                                                  強いリーダー不在の現代人へ 薩摩島津を率いた戦国末期の猛将、島津義弘を通じて、混迷の時代におけるリーダーシップ像を描く著者4年ぶりの新作小説。
                                                  (「内容紹介」より)

                                                  第11回(1998年)

                                                  夢枕獏 : 神々の山嶺

                                                    羽生丈二。単独登頂家。死なせたパートナーへの罪障感に悩む男。伝説の男が前人未到のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑む。なぜ人は山に登るのか? 永遠の問に応える畢生の大作! 第11回柴田錬三郎賞受賞作。
                                                    (「内容紹介」より)

                                                    第10回(1997年)

                                                    帚木蓬生 : 逃亡

                                                      1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた――。香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった……。「国家と個人」を問う日本人必読の2000枚。柴田錬三郎賞受賞。
                                                      (「内容紹介」より)

                                                      第9回(1996年)

                                                      連城三紀彦 : 隠れ菊

                                                        浜名湖畔の料亭「花ずみ」の跡取りと結婚した通子。名女将と評判の姑が亡くなりまもなく一年になる日、通子は夫の旬平の指示で一人の女と会う。女は通子に言った――「ご主人をいただきにきました」。とりだした離婚届には、すでに旬平の署名が。この日から、平凡な主婦だった通子の日常は一変、妻の座と店の運命を賭けた闘いが始まった。愛に商売に体当たりする女の生き様を描く、柴田錬三郎賞受賞作。
                                                        (「内容紹介」より)

                                                        第8回(1995年)

                                                        林真理子 : 白蓮れんれん

                                                          「筑紫の女王」と呼ばれた美しき歌人・柳原白蓮が、年下の恋人、宮崎龍介と駆け落ちした、世に名高い「白蓮事件」。華族と平民という階級を超え、愛を貫いたふたりの、いのちを懸けた恋――。門外不出とされてきた七百余通の恋文を史料に得て、愛に翻弄され、時代に抗いながら、真実に生きようとする、大正の女たちを描き出す伝記小説の傑作。
                                                          (「内容紹介」より)

                                                          第7回(1994年)

                                                          伊集院静 : 機関車先生

                                                            瀬戸内の小島・葉名(はな)島の、児童わずか七人の小さな小学校にやって来た、大きな先生。病気が原因で口をきけなくなったこの先生では……、という声もあがる。数々の事件が起こるなかで、子供たちは逆に心の交流を深め、自然の大切さや人間の優しさについて学んでいく。柴田錬三郎賞に輝いた、涙と感動の名作。
                                                            (「内容紹介」より)

                                                            第6回(1993年)

                                                            半村良 : かかし長屋

                                                              棟梁に褒められ有頂天になる大工、盗賊としての過去を隠した扇職人、対人恐怖症で五千石を棒に振った旗本の次男坊、玉の輿に乗る娘など、この江戸下町の長屋にはさまざまな人たちが暮らす。そして彼らを助ける証源寺の住職忍専。ふりかかる事件にも自分たちの知恵で切り抜けていく。そんな長屋住人たちを闊達な筆で描きだす人情時代小説。第6回柴田錬三郎賞受賞作。
                                                              (「内容紹介」より)

                                                              第5回(1992年)

                                                              白石一郎 : 戦鬼たちの海
                                                              • 再読度 ☆:読後感 ☆☆

                                                              摩の土豪から身を起こした九鬼嘉隆は織田信長の知遇を得て運命がひらけた。織田水軍の総大将として海戦に明け暮れた戦国大名の数奇な人生を描く柴田錬三郎賞受賞作。
                                                              (「内容紹介」より)

                                                              第4回(1991年)

                                                              宮本徳蔵 : 虎砲記

                                                                第4回(1991年)

                                                                北方謙三 : 破軍の星

                                                                  建武の新政で後醍醐天皇により十六歳の若さで陸奥守に任じられた北畠顕家は奥州に下向、政治機構を整え、住民を掌握し、見事な成果をあげた。また、足利尊氏の反逆に際し、東海道を進撃、尊氏を敗走させる。しかし、勢力を回復した足利方の豪族に叛かれ苦境に立ち、さらに吉野へ逃れた後醍醐帝の命で、尊氏討伐の軍を再び起こすが……。一瞬の閃光のように輝いた若き貴公子の短い、力強い生涯。
                                                                  (「内容紹介」より)

                                                                  第3回(1990年)

                                                                  皆川博子 : 薔薇忌

                                                                    降りしきる薔薇の花びらに埋もれて死ぬことを夢見た劇団員(「薔薇忌」)、濃密な淫夢に日常を侵される歌舞伎小道具屋の娘(「紅地獄」)、元スター歌手の再起に賭ける芸能プロデューサー(「化鳥」)……舞台芸能に生きる男女が織りなす世界を、幻想的な筆致で描いた珠玉の短編集。著者の独創性を世に知らしめた柴田錬三郎賞受賞作。
                                                                    (「内容紹介」より)

                                                                    第2回(1989年)

                                                                    隆慶一郎 : 一夢庵風流記
                                                                    • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                                                                    戦国末期、天下の傾奇者(かぶきもの)として知られる男がいた。派手な格好と異様な振る舞いで人を驚かすのを愉しむ男、名は前田慶次郎という。巨躯巨漢で、一度合戦になるや、朱色の長槍を振り回し、敵陣に一人斬り込んでいく剛毅ないくさ人であり、当代一流の風流人でもあった。そして何より、自由を愛するさすらい人でもあった。故あって、妻子を置き旅に出た男の奔放苛烈な生き方を描く時代長編。
                                                                    (「内容紹介」より)

                                                                    第1回(1988年)

                                                                    高橋治 : 別れてのちの恋歌