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山本周五郎賞を受賞した作品の一覧です。

山本周五郎賞受賞作

山本周五郎賞は時代小説の大家として知られる作家・山本周五郎に因んで1988年に創設された、すぐれた物語性を有する小説・文芸書に贈られる文学賞で、新潮文芸振興会が主催し新潮社が後援しています。
芥川賞・直木賞が文藝春秋社と関係が深いように、純文学が対象となる三島由紀夫賞と大衆文学が対象の山本周五郎賞は新潮社版の文学賞と言った位置付けのようで、受賞作も同時に発表されています。
山本周五郎賞は直木賞に比べて権威的ではなく、その分エンターティメント性に優れて面白い作品が多いような印象が管理人にはあります。
以下は受賞作の一覧です。

  • 第36回(2023年)

    永井紗耶子 : 木挽町のあだ討ち

    • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

    ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙はたくさんの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者だというひとりの侍が仇討ちの顛末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。
    (「内容紹介」より)

  • 第35回(2022年)

    砂原浩太朗 : 黛家の兄弟

    • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

    神山藩で代々筆頭家老の黛家。三男の新三郎は、兄たちとは付かず離れず、道場仲間の圭蔵と穏やかな青春の日々を過ごしている。しかし人生の転機を迎え、大目付を務める黒沢家に婿入りし、政務を学び始めていた。そんな中、黛家の未来を揺るがす大事件が起こる。その理不尽な顛末に、三兄弟は翻弄されていく。
    (「内容紹介」より)

  • 第34回(2021年)

    佐藤究 : テスカトリポカ

      メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。第34回山本周五郎賞受賞。
      (「内容紹介」より)

    • 第33回(2020年)

      早見和真 : ザ・ロイヤルファミリー

        お前に一つだけ伝えておく。絶対に俺を裏切るな——。父を亡くし、空虚な心を持て余した税理士の栗須栄治はビギナーズラックで当てた馬券を縁に、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書として働くことに。競馬に熱中し、〈ロイヤル〉の名を冠した馬の勝利を求める山王と共に有馬記念を目指し……。馬主とその家族の20年間を描く圧巻のエンターテインメント長編!
        (「内容紹介」より)

      • 第32回(2019年)

        朝倉かすみ : 平場の月

          須藤が死んだと聞かされたのは、小学校中学校と同窓の安西からだ。須藤と同じパート先だったウミちゃんから聞いたのだという。青砥は離婚して戻った地元で、再会したときのことを思い出す。検査で行った病院の売店に彼女はいた。中学時代、「太い」感じのする女子だった。五十年生き、二人は再会し、これからの人生にお互いが存在することを感じていた。第32回山本周五郎賞受賞の大人のリアルな恋愛小説!
          (「内容紹介」より)

        • 第31回(2018年)

          小川哲 : ゲームの王国

            サロト・サル――後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子、ソリヤ。貧村ロベーブレソンに生まれた、天賦の「識(ヴィンニャン)」を持つ神童のムイタック。運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1975年のカンボジア、バタンバンで邂逅した。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺――百万人以上の生命を奪い去ったあらゆる不条理の物語は、少女と少年を見つめながら粛々と進行する……まるで、ゲームのように。
            (「内容紹介」より)

          • 第30回(2017年)

            佐藤多佳子 : 明るい夜に出かけて

            • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

            接触恐怖症からトラブルを起こした富山一志は大学を休学し、コンビニでアルバイトの日々をおくっていた。人間関係が苦手な富山の唯一の楽しみは、深夜放送のラジオ番組に投稿すること。そんな彼の色が抜け落ちた日々が、コンビニに客としてやって来た変わり者の女子高生・佐古田愛と親しくなったことから徐々に変わり始める。

          • 第29回(2016年)

            湊かなえ : ユートピア

              善意は、悪意より恐ろしい。足の不自由な小学生・久美香の存在をきっかけに、母親たちがボランティア基金「クララの翼」を設立。しかし些細な価値観のズレから連帯が軋みはじめ、やがて不穏な事件が姿を表わす――。湊かなえが放つ、心理サスペンスの決定版。
              (「内容紹介」より)

            • 第28回(2015年)

              柚木麻子 : ナイルパーチの女子会

                商社で働く栄利子は、お気に入りの主婦ブロガー・翔子と出会い意気投合。だが距離感をうまくつかめない二人の関係は徐々に変化して。
                (「内容紹介」より)

              • 第27回(2014年)

                米澤穂信 : 満願

                • 再読度 ☆:読後感 ☆☆

                人生を賭けた激しい願いが、6つの謎を呼び起こす。人を殺め、静かに刑期を終えた 妻の本当の動機とは――。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在 外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなど、切実に生きる人々が遭遇 する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、 ミステリ短篇集の新たな傑作誕生!
                (「内容紹介」より)

              • 第26回(2013年)

                小野不由美 : 残穢

                • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                この家は、どこか可怪(おか)しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、ここでむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢(けが)れ」となり、感染は拡大するというのだが──山本周五郎賞受賞、戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!
                (「内容紹介」より)

              • 第25回(2012年)

                原田マハ : 楽園のカンヴァス

                • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。山本周五郎賞受賞作。
                (「内容紹介」より)

              • 第24回(2011年)

                窪美澄 : ふがいない僕は空を見た

                  高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが――。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R-18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。
                  (「内容紹介」より)

                • 第23回(2010年)

                  貫井徳郎 : 後悔と真実の色

                  • 再読度 ☆:読後感 ☆☆☆

                  "悪"を秘めた女は駆除する――。若い女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。捜査一課のエース西條輝司は、捜査に没頭するあまり一線を越え、窮 地に立たされる。これは罠なのか?男たちの嫉妬と裏切りが、殺人鬼を駆り立てる。挑発する犯人と刑事の執念。熾烈な攻防は驚愕の結末へ。第23回山本周五郎賞受賞作。
                  (「内容紹介」より)

                • 第23回(2010年)

                  道尾秀介 : 光媒の花

                    認知症の母と暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄妹が、小さな手で犯した罪。心の奥に押し込めた、哀しみに満ちた風景を暖かな光が包み込んでいく。儚く美しい全6章の連作群像劇。第23回山本周五郎賞受賞作
                    (「内容紹介」より)

                  • 第22回(2009年)

                    白石一文 : この胸に深々と突き刺さる矢を抜け

                      数々のスクープを物してきた敏腕編集長、カワバタ。大物政治家Nのスキャンダルを追う彼の前に現れた奇妙なグラビアの女。彼女を抱いた日から、人生は本来の軌道を外れて転がり出す。不敵なまでの強引さと唐突さで物語に差し挟まれる数々の引用。小説が真理に近づく限界を極めた、第22回山本周五郎賞受賞作。
                      (「内容紹介」より)

                    • 第21回(2008年)

                      今野敏 : 果断 ― 隠蔽捜査〈2〉

                      • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                      警察庁のエリート官僚から警視庁・大森警察署長に左遷させられた竜崎伸也は、膨大な書類仕事と地域に密着した広報活動などに振り回されていた。そんな中、サラ金業者を襲った強盗事件が発生し、強盗犯の一人が大森署管内の小料理屋に拳銃を持って立てこもる。前線本部長として現場で捜査指揮を執った竜崎だが、警視庁のSITとSATまでが出動した事件は意外な方向に進んで行く。第21回山本周五郎賞、第21回日本推理作家協会賞を受賞した傑作。

                    • 第21回(2008年)

                      伊坂幸太郎 : ゴールデンスランバー

                      • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆

                      衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
                      (「内容紹介」より)

                    • 第20回(2007年)

                      恩田陸 : 中庭の出来事

                        瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。容疑は、パーティ会場で発表予定だった『告白』の主演女優候補三人に掛かる。警察は女優三人に脚本家の変死をめぐる一人芝居『告白』を演じさせようとする――という設定の戯曲『中庭の出来事』を執筆中の劇作家がいて……。虚と実、内と外がめまぐるしく反転する眩惑の迷宮。芝居とミステリが見事に融合した山本周五郎賞受賞作。
                        (「内容紹介」より)

                      • 第20回(2007年)

                        森見登美彦 : 夜は短し歩けよ乙女

                        • 再読度 ☆:読後感 ☆

                        「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、京都のいたるところで彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受ける珍事件の数々、そして運命の大転回とは?
                        (「内容紹介」より)

                      • 第19回(20006年)

                        宇月原晴明 : 安徳天皇漂海記

                          ジパングの若き詩人王は詠い、巡遣使マルコ・ポーロは追う。神器に封じられた幼き帝を—— 壇ノ浦から鎌倉、元、滅びゆく南宋の地へ。海を越え、時を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。
                          (「内容紹介」より)

                        • 第18回(2005年)

                          荻原浩 : 明日の記憶

                          • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                          大手広告会社の営業部長・佐伯雅行は最近物忘れがひどくなってきた。もうすぐ50歳になろうとしているが、まだまだ現役バリバリで忙しくしているし、老け込むような歳じゃない。しかし体調不良も重なった事から妻・枝実子に促されて神経内科を受診したところ、下された診断結果は若年性アルツハイマーというものだった。働き盛りのサラリーマンが若年性アルツハイマーに罹り、徐々に記憶障害を起こしていく姿を主人公の一人称で書き進めていく第18回山本周五郎賞受賞の感動作。

                        • 第18回(2005年)

                          垣根涼介 : 君たちに明日はない

                          • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                          「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが……。恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。山本周五郎賞受賞作。
                          (「内容紹介」より)

                        • 第17回(2004年)

                          熊谷達也 : 邂逅の森

                          • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                          大正時代の東北の寒村でマタギ(猟師)として育ち、激しい自然の中で誇りとリスペクトを持って獲物と対峙してきた山の男・松橋富治の男の生きざまと生涯を描いた骨太の傑作小説。

                        • 第16回(2003年)

                          京極夏彦 : 覘き小平次

                            小平次は、いつも微昏がりに居る。そして、両の眼を確乎りと明けている…。死んだように生きる幽霊役者小平次と生き乍ら死を望む女お塚は、押入襖の隙間からの目筋とこの上ない嫌悪とで繋がり続ける―山東京伝の名作怪談「復讐奇談安積沼」を現代に甦らせた山本周五郎賞受賞作。
                            (「BOOK」データベースより)

                          • 第15回(2002年)

                            吉田修一 : パレード

                              都内の2LDKマンションに暮らは男女四人の若者達。「上辺だけの付き合い?私にはそれくらいが丁度いい」。それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、“本当の自分”を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。そこに男娼をするサトルが加わり、徐々に小さな波紋が広がり始め…。発売直後から各紙誌の絶賛を浴びた、第15回山本周五郎賞受賞作。
                              (「BOOK」データベースより)

                            • 第15回(2002年)

                              江國香織 : 泳ぐのに、安全でも適切でもありません

                                いろんな生活、いろんな人生、いろんな人々。とりどりで、不可解で。江国香織初の書き下ろし短編小説。
                                (「BOOK」データベースより)

                              • 第14回(2001年)

                                乙川優三郎 : 五年の梅

                                  友を助けるため、主君へ諌言をした近習の村上助之丞。蟄居を命ぜられ、ただ時の過ぎる日々を生きていたが、ある日、友の妹で妻にとも思っていた弥生が、頼れる者もない不幸な境遇にあると耳にし―「五年の梅」。表題作の他、病の夫を抱えた小間物屋の内儀、結婚を二度もしくじった末に小禄の下士に嫁いだ女など、人生に追われる市井の人々の転機を鮮やかに描く。生きる力が湧く全五篇。
                                  (「BOOK」データベースより)

                                • 第14回(2001年)

                                  中山可穂 : 白い薔薇の淵まで

                                    ジャン・ジュネの再来とまで呼ばれる新人女性作家・塁と、平凡なOLの「わたし」はある雨の夜、書店で出会い、恋に落ちた。彼女との甘美で破滅的な性愛に溺れていく「わたし」。幾度も修羅場を繰り返し、別れてはまた求め合う二人だったが…。すべてを賭けた極限の愛の行き着く果ては?第14回山本周五郎賞受賞の傑作恋愛小説。発表時に話題を呼んだ受賞記念エッセイも特別収録。
                                    (「BOOK」データベースより)

                                  • 第13回(2000年)

                                    岩井志麻子 : ぼっけえ、きょうてえ

                                      ―教えたら旦那さんほんまに寝られんようになる。…この先ずっとな。時は明治。岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた…。岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作ほか三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。
                                      (「BOOK」データベースより)

                                    • 第12回(1999年)

                                      重松清 : エイジ

                                        ぼくの名はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。その夏、町には連続通り魔事件が発生して、犯行は次第にエスカレートし、ついに捕まった犯人は、同級生だった―。その日から、何かがわからなくなった。ぼくもいつか「キレて」しまうんだろうか?…家族や友だち、好きになった女子への思いに揺られながら成長する少年のリアルな日常。山本周五郎賞受賞作。
                                        (「BOOK」データベースより)

                                      • 第11回(1998年)

                                        梁石日 : 血と骨

                                          一九三〇年頃、大阪の蒲鉾工場で働く金俊平は、その巨漢と凶暴さで極道からも恐れられていた。女郎の八重を身請けした金俊平は彼女に逃げられ、自棄になり、職場もかわる。さらに飲み屋を営む子連れの英姫を凌辱し、強引に結婚し…。実在の父親をモデルにしたひとりの業深き男の激烈な死闘と数奇な運命を描く衝激のベストセラー。山本周五郎賞受賞作。
                                          (「BOOK」データベースより)

                                        • 第10回(1997年)

                                          真保裕一 : 奪取

                                            一千二百六十万円。友人の雅人がヤクザの街金にはめられて作った借金を返すため、大胆な偽札造りを二人で実行しようとする道郎・22歳。パソコンや機械に詳しい彼ならではのアイデアで、大金入手まであと一歩と迫ったが…。日本推理作家協会賞と山本周五郎賞をW受賞した、涙と笑いの傑作長編サスペンス。
                                            (「BOOK」データベースより)

                                          • 第10回(1997年)

                                            篠田節子 : ゴサインタン―神の座―

                                            • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                                            農家の跡取り息子・結木輝和のもとにネパール人女性が嫁いで来た。そこから彼の人生は転落の一途を辿り始める。しかし、神の山ゴサインタンの懐に抱かれたとき、彼の魂は癒され、奇跡のように再生される―。現代人の満たされぬ想いと、漠とした不安を救済する新しいエンターテインメントの世界。第10回山本周五郎賞受賞作。
                                            (「BOOK」データベースより)

                                          • 第9回(1996年)

                                            天童荒太 : 家族狩り

                                              脂肪にぎらつくナイフが、肉を骨を家族を生きながら裂いてゆく…美しき地獄絵サスペンス。「崩壊した家族に再生はあるのか」血の海に沈んだ家族がひとつ、またひとつ。一家心中か、連続大量殺人事件か。きっかけは、心理想談のラインに掛かってきた、一本の電話だった。一方的に暴言を並べた学生らしきその声の主は、一家皆殺しを宣言して電話を切った…。「愛の病理」がその巨体を街角に現わして、物語は二転三転、急展開。
                                              (「BOOK」データベースより)

                                            • 第8回(1995年)

                                              帚木蓬生 : 閉鎖病棟

                                              • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                                              とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった…。彼を犯行へと駆り立てたものは何か?その理由を知る者たちは―。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。
                                              (「BOOK」データベースより)

                                            • 第7回(1994年)

                                              久世光彦 : 一九三四年冬―乱歩

                                                昭和九年冬、江戸川乱歩はスランプに陥り、麻布の「張ホテル」に身を隠した。時に乱歩四十歳。滞在中の探偵小説マニアの人妻や、謎めいた美貌の中国人青年に心乱されながらも、乱歩はこの世のものとは思えぬエロティシズムにあふれた短編「梔子姫」を書き始めた―。乱歩以上に乱歩らしく濃密で妖しい作中作を織り込み、昭和初期の時代の匂いをリアルに描いた山本周五郎賞受賞作。
                                                (「BOOK」データベースより)

                                              • 第6回(1993年)

                                                宮部みゆき : 火車

                                                • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                                                休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して――なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか? いったい彼女は何者なのか? 謎を解く鍵は、カード社会の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
                                                (「内容紹介」より)

                                              • 第5回(1992年)

                                                船戸与一 : 砂のクロニクル

                                                • 再読度 ☆☆:読後感 ☆☆☆

                                                民族の悲願、独立国家の樹立を求めて暗躍する中東の少数民族クルド。かつて共和国が成立した聖地マハバードに集結して武装蜂起を企む彼らだったが、直面する問題は武器の決定的な欠乏だった。クルドがその命運を託したのは謎の日本人“ハジ”。武器の密輪を生業とする男だ。“ハジ”は2万梃のカラシニコフAKMをホメイニ体制下のイランに無事運び込むことができるのか。山本周五郎賞受賞作。
                                                (「BOOK」データベースより)

                                              • 第4回(1991年)

                                                稲見一良 : ダック・コール

                                                  石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る―。絶滅する鳥たち、少年のパチンコ名人と中年男の密猟の冒険、脱獄囚を追っての山中のマンハント、人と鳥と亀との漂流譚、デコイと少年の友情などを。ブラッドベリの『刺青の男』にヒントをえた、ハードボイルドと幻想が交差する異色作品集。“まれに見る美しさを持った小説”と絶賛された第四回山本周五郎賞受賞作。
                                                  (「BOOK」データベースより)

                                                • 第3回(1990年)

                                                  佐々木譲 : エトロフ発緊急電

                                                    1941年12月8日、日本海軍機動部隊は真珠湾を奇襲。この攻撃の情報をルーズベルトは事前に入手していたか!?海軍機動部隊が極秘裡に集結する択捉島に潜入したアメリカ合衆国の日系人スパイ、ケニー・サイトウ。義勇兵として戦ったスペイン戦争で革命に幻滅し、殺し屋となっていた彼が、激烈な諜報戦が繰り広げられる北海の小島に見たものは何だったのか。山本賞受賞の冒険巨篇。
                                                    (「BOOK」データベースより)

                                                  • 第2回(1989年)

                                                    吉本ばなな : TUGUMI つぐみ

                                                      病弱で生意気な美少女つぐみ。彼女と育った海辺の小さな町へ帰省した夏、まだ淡い夜のはじまりに、つぐみと私は、ふるさとの最後のひと夏をともにする少年に出会った―。少女から大人へと移りゆく季節の、二度とかえらないきらめきを描く、切なく透明な物語。第2回山本周五郎賞受賞。
                                                      (「BOOK」データベースより)

                                                    • 第1回(1988年)

                                                      山田太一 : 異人たちとの夏

                                                      • 再読度 ☆☆☆:読後感 ☆☆☆

                                                      妻子と別れてマンションで一人暮らしのシナリオ・ライター原田英雄が、久しぶりに訪れた生地の浅草で出会ったのは、原田が12歳の時に死別した両親と不思議なくらい良く似た夫婦だった。二人と過ごす時間は心地良いが、どこか不自然で怖いような気もする。最近やつれて来た原田に対して、若い恋人ケイは「もう決して彼らと逢わないで」と懇願した。第一回山本周五郎賞を受賞した現代の怪談。